初陣
セトから出発しヴァンヘルトとベアルトの国境近くダナの里を目指すフルド隊一行はとある魔物と交戦をしていた。
ドォンと地響きがなり、山肌を岩や瓦礫が崩れ落ちた。
フルド一行が出会ったのは地竜と呼ばれる魔物。この一体の頂点に君臨する生物だ。
地竜経験者のブロスと
そして指示役のフルドの指示のもと、全長30m 高さ4mの巨体と激戦を続ける。
フルド、ファン、ブロス、がが地竜の撹乱しオタルやソル、ピオ、ユーシ、タラムがスキを狙い攻撃を狙う。
フレイヤやズー、ホランドは距離を保ち、それをプルートゥが盾となり警護する。
魔素が極端に少ない高所地帯、できるだけ温存するためもあるが竜と呼ばれる種は魔法防御が極端に強い。
いざと言う時以外は手を出せない
未だ地竜に大きなダメージを与えられずにいた。
地竜が大量に息を吸い込む。
ブロス「臭炎だ!!!」
その言葉に皆が地竜から即座、距離取る。
地竜が口の中にある二つの穴から勢いよく液体を吹き出す。それが地竜の口から煙となってあたり一面に広がり。次の瞬間それが炎に変わった。雪崩のような火炎が黒煙と共に皆を襲っい、広げた距離を一気に縮めていく。
フルド「オタル!」
フルドのはそう叫び、首を縦に振る。
オタルは理解したようにフルドの胴体を掴む、そして炎を避けながら跳躍するとフルドを勢いよく地龍の少し上を狙い投げた。
曲線を描きながら地竜に向かうフルド
地竜もフルドを確認し狙いをつけた。
臭炎が上昇し地面に空間ができる。
その瞬間をオタルは見逃さなかった。
灼熱した地面を蹴りながら火と地面の隙間を通り一瞬で地竜の顎の下に力強く足を固定した。
オタルの渾身の昇拳が地竜の硬い顎先を撃ち抜いた。
凄まじい音と共に地竜に口が閉じ頭が浮く。閉じた口の隙間から臭炎が吹き出た。
その一瞬の隙を仲間達は見逃さなかった。
それぞれの手足の関節を狙いながら攻撃を加えていく。
タラムは俊敏で驚異的な尻尾の両断を狙う。
渾身の縦振り。しかしその一撃は強靭な鱗を半分ほど破壊し食い込みんだまま、止められた。
タラム「マジかよ」
地龍の頑丈な鱗に驚愕するタラム
その間も手足の裏をユーシやピオ、ソルが一撃を加え
地竜の上に着地したフルドは鉤爪を使い張り付きながら首から頭へと移動する。
オタルは顎を撃ち抜いたあと左前足に拳を撃つ。巨大な地竜の前足が撥ねられその場に崩れる。
一瞬の地竜の瞬膜が開きその隙にブロスの矢が地竜の目を射抜くが瞬膜が一瞬で閉じ、微かに刺さりはしたが目を傷つけることはできなかった。
ブロス「ちぃ!!」
地竜が暴れ、皆が距離を取る、尻尾が勢いよく振られ、タラムが引き剥がされ飛ばされる。
崖の外に飛ばされるところを間一髪地面から伸びたフレイヤの黒衣がタラムを捕まえた。
タラム「顔だ!!!」
フレイヤ「はいはい」
タラムを掴んだまま黒衣を使い鞭のように、地龍の顔を目掛けタラムを投げた。
風切り音を立てながらタラムは大剣を地竜の眼に突き立てた。
竜が咆哮を上げる中
タラムはは全身の力で大剣を押し込む。
その怯んだを皆は見逃さなかった。
総攻撃を仕掛けた。
ーーーーーーーーーー
フルド「ハアハアハア」
地竜は見事、撃退された。あの人数で総攻撃を仕掛けたに関わらず、地龍は片目の損失と全身に多少の切り傷や打撲、器官の損傷で致命症には至らなかった。
フルド隊の全員が薄い空気と魔素で消耗していた。温存していたはずの魔法使い、ズーとフレイヤでさえ軽い息切れを起こしていた。
隊の皆の消耗具合を見ながらフルドは息を整えていた。
ブロス「フルド、すぐに移動した方がいい
近くに卵があるはずだ。また戻ってくる可能性が高い」
フルド「わかった、すぐに移動しよう」
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地竜の縄張りから離れ、安全を確保する頃には日は沈み始めていた。
フルド「ホランド、野営の準備だ」
ホランド「了解」
オタル「僕も」
フルド「お前は休んでろ」
プルートゥ「俺がやろう。先程は役に立てなかった」
フルド「頼む」
ーーーーーーーーーー
軽い食事を済ませ、ひと時の休息を取っていた。標高の高い場所、強い風が吹き乱れる。
岩の隙間を見つけ、テントの布地を貼り付けて風邪を凌ぐ。
フルドはフレイヤに声をかける
フルド「今何割くらいだ?」
フレイヤ「7割・・・いや5割かも」
フルド「あれだけでか」
フレイヤ「この標高じゃ役に立てないかも・・・今まで山を越える侵攻が無かったのも身を持って納得した、こんなに弱体化するなんて」
フルド「思ったよりヤベェな、ベアルトの駐屯地襲えるかこれ?」
フレイヤ「力押しじゃ無理そう」
ブロス「悪かったよ、痕跡を見落とした」
フルド「しょうがねえさ、それよりいい考えねえか??一応地元だろ?」
ブロス「んなこといっても、駐屯地もどんなかわからねぇしよ」
フルド「だよなぁ、この調子なら駐屯地まであと三日ってとこか?それまでに考えねぇと」
ブロス「ちなみにどうするつもりだったんだ?」
フルド「フレイヤの魔法でズバァっと」
ブロス「アホか」
ズー「こんな薄さじゃ回復も見込めないからね、ちなみに私1割」
フルド「・・・・はぁ帰りてぇ」
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二日後
フルド隊は山道を進んでいく。
疲労はそこまで取れていないいが、薄い空気にもそこそこ慣れてきたようだった。
ファン「皆さん何かいます」
ブロス「そろそろか、このまま進もう」
少し進むと開けた場所に出る
先頭のブロスが立ち止まりフルド隊が停止する。
ブロス「おらお出ましだ、手上げたほうがいいぞ」
その言葉と共にフルド隊を包囲するように岩の影から次々と10人以上のアマゾネス達が弓や槍をフルド達に向けながら現れた。
フルド隊の皆はゆっくりと手をあげる
そのうちの1人がフルド隊に近づく
ダナの村のアマゾネス「おいおい、懐かしい顔だな」
ブロス「久しぶりだなエピオ」
2人は握手を交わす。
ブロス「安心しろ、ヴァンヘルトとガノリアとの応援部隊だ。形だけだがな」
エピオ「聞いてる、案内するよ」
ーーーーーーーー
エピオに連れられフルド、ファン、ブロス、ソルは目的のベアルトの駐屯基地へと斥候の足を進める。
もう日は落ち夜になっていた。
山の寒さに身慄いするフルド
フルド「うぅ寒、ファン大丈夫か?」
ファン「はい」
エピオ「この高さは初めてか??慣れんだろ」
フルド「まあな」
エピオ「慣れないところ悪いが、すぐに始めさせてもらう」
フルド「なんだ、問題か?」
ーーーーー
エピオ「あれだ」
山の稜線から二つほど離れた山の中腹を見る。ベアルトの駐屯地をフルド達は確認した。
望遠鏡で覗く
手前の山に見張りの小さな構造物、駐屯地の四方に陣取っているようだ
フルド「結構でかいな」
エピオ「80人程だ、まだどんどん増えるだろうな」
フルド「は?多くねえか?」
エピオ「来るのが遅かったな」
フルド「なんで少ねぇうちに叩かなかったんだ」
エピオ「叩きはしたさ、だが少し厄介でな、手強いのがいる。戦士と魔法使いが数人、西言葉を使ってた」
フルド「まじか、魔法使い??この高さで?」
エピオ「ああ、かなりやられた」
フルド「そいつは厄介なこって」
エピオ「もう一つ、」
フルド「?」
エピオ「仲間が5人捕まった。まだあそこにいる。生きていればな」
フルド「いつ?」
エピオ「昨日だ」
フルド「・・・それは・・・悪かった、時間をかけてきたのは俺の指示だ」
エピオ「気にするな」
ーーーーーーーーー
フルド「夜明け前に襲撃する。疲れはどうだ?」
オタル「大丈夫」
ソル「問題ない」
フルド「西と東から襲撃をかける。その間に俺とオタルファンホランドはダナ族たちと捕まった奴らの救出だ。全部で5人だ」
オタル「う、うん」
フレイヤ「他は?」
フルド「奇襲だ。
ブロスは反対の山からとにかく打ってくれ、いけるだろ?」
ブロス「距離によっちゃ当てられる自信はねぇぞ」
フルド「いいよ、撹乱になればいい、フレイヤ、ズー、相当な魔法使いがいる。そいつらは頼んだ」
フレイヤ「わかった」
ズー「この高さかぁ自信ないなぁ」
フルド「条件は無効も一緒だ、高所の慣れならこっちの方が長い。
ソル、これを」
ソルはフルドに手渡された簡素な銃を受け取る
撃つと音を上げながら信号弾だ
フルド「乱戦になる、あんたの方が的確だと思う、」
ソル「了解した」
フルド「皆はソルに従ってくれ、プルートゥ、ユーシ、タラム、とにかく場を荒らしてくれ」
「了解」「はいよ」「うむ」
フルド「エピオさんこんな感じでいいか?」
エピオ「ああ、頼りにしてるよ」
ーーーーー
遠くの空に灯りが見える頃、風の強い山肌で静かに位置につくオタルやフルド達、他のメンバーやアマゾネスとオーク達がそれぞれに息を潜める。
山の寒さと風で消耗した2人の見張りがうとうととしている。
ヒュンと風を切り矢がその見張りの目に刺さり力なく倒れた。
それと同時にプルートゥが岩陰から現れて地面を蹴る
プルートゥ「ぅぁあああああああ!!!!」
雄叫びを上げながら門に突っ込むプルートゥ
魔法の補強を軽々と壊し門を破壊すた。
カンカンカンと警報が鳴る
中の兵士達が小屋やテントから現れ慌てふためきだす。
プルートゥに続いて西と東からソルやピオ、タラム、ユーシ達がダナ族の戦士達が奇襲を始めた。
フルド「・・・」
フルドは指で合図する。
塀を乗り越えて、エピオが怪しいといった北の小屋へと向かう。
時折兵士の目を掻い潜りながら、目的の小屋の元まで辿り着く、見張りをエピオとフルドが後ろから暗殺する。
小屋の扉を開ける。中に光が差し中の状況を確認したフルド達は息を呑んだ。
アマゾネス3人とオークが2人拷問をされた状態で繋がれ、拘束されていた。
フルド達は駆け寄る。
フルドは隅のオークの状態を確認するも、一目でもう死んでいると理解した
夥しい拷問の形跡だった。
ホランド「ひどい」
フルド「オタル、そっちは」
オタル「息はあるけど・・・」
エピオ「よく頑張ったな」
エピオは気を失っている仲間に優しく声をかける
フルド「ファン見張っててくれ」
ファン「はい」
結局息があったのはアマゾネス1人とオークの1人の2人だけだった。
急ぎ生きている2人の拘束を解き、逃がす準備をする。
その間オタルは死んだ3人達を見ていた。
拷問の後、そして記憶に残るあの匂い。
ある記憶が思い浮かぶ。
初めて恋した女性が、オークによってなぶり殺されたあの記憶。
フレイヤ達と会うまでの間、オークを絶滅させようとするほどの怒りと恨みをオタルに刻んだあの事件。
覚悟していたはずの場面、しかし直にみたオタルの脳は理解することを拒んだ。
エピオはオタルの発する気にいち早く気づく。
その時、ファンが声を上げる
ファン「皆さん!きます!!!」
ドオォオン!!と小屋の前に爆発が起きる。
数人のアマゾネが吹き飛ばされ、小屋が半壊する。
土煙の向こうで数人の人影が現れた。
槍の男「おうおう、ほらなやっぱ陽動だったろ?」
2人の人影、1人は楽しげな口調でそう言った
1人は槍を持った男性、背中には数本の槍を装備している。
もう1人は弓を持った女性
槍の男「おい見ろよ、ホルムがいるぜ」
弓の女「ほんと」
フルド「くそ、エピオ、俺らが足止めする、ホランド、頼む」
エピオ「わかった」
ホランド「はい!」
エピオの合図でアマゾネスたちがホランドと共に傷ついた仲間と遺体を運ぶ。その顔は悲壮と怒り、憎悪に満ちていた。エピオは仲間達の斜線に入る様にフルド達に近づく
槍の男「おっと待てよ」
槍の男の言葉と共に女が弓を仲間を運ぼうとするアマゾネスに向けて射る。
爆音に近い音が鳴る
ほぼ同時にぱしんとその矢が赤い拳に掴まれた。反撃とフルドも矢を放つ、女目掛け飛ぶ矢をまるでハエを叩くように男が槍で打ち落とした。
槍の男「・・・ざっこ」
弓の女「やめとき、戦場じゃこう言う矢が一番危ないんだから」
アマゾネス盾になるようにオタル、フルド、ファン、エピオが立ち塞がる。
弓の女「いいの?」
槍の男「んー、まあもう使いもんならないしな・・・それより」
槍の男はニヤリと笑う
槍の男「それより、なかなか強そうじゃんあのオーク」
オタルは目を見開き2人を見る
オタル「・・・なんで」
とオタルの声が漏れる。
フルド「オタル、槍の方を、ファンは俺と弓だ」
ファン「はい!」
オタル「・・・・」
オタルの目に力が宿る
それは怒りだと隣にいたフルドは感じ取った。
両者が構える、オタルが地面を蹴り槍の男達に突進した。
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