稽古
その後しばらくして
ヴァンヘルトの一件から半年ほどが経とうとしていた
オタルたちとであってもうすぐ二年になる。
ティンタンは結局ハッシュドアで働くことになった。ムカつくことに槍の腕は俺より上だ。
しかしながらやることは事務や雑務だ。
夏の暑さがすぎた頃、アマゾネスのベルがプルートゥと共にハッシュドアの事務所にきた。
ベル「おっす」
ティンタン、オタル「いらっしゃい」
プルートゥ「邪魔をする」
扉ギリギリに入るプルートゥ
フルド「珍しいな、え、お前ら二人だけできたのか?」
ベル「どうだ信用されてるだろ?」
プルートゥ「見張りはいるがな」
ベル「え?ほんと?」
フルド「されてねーじゃねぇか」
ベル「まあいいって、あんたがティンタンか?はじめまして、プルートゥの姉のベルだ」
ティンタン「よろしくお願いします。噂はかねがね」
ベル「悪口じゃないだろうな」
ティンタン「はははそんなことないですよ」
フルド「で、何の用だよ」
ベル「遊びに来たっていってるだろ?」
プルートゥ「オタル、もし疲れてなければ稽古、いや手合わせをお願いしたい」
オタル「うん、やろう、フルドとティンタンもする?」
フルド「せっかくの休みだぞ」
ティンタン「僕はお願いしようかな」
オタル「うん、フルド」
フルド「はいはいいくよ」
ベル「私は見学させてもらおうかね」
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タイラとフレイヤがハッシュドアに帰っていた。ハッシュドアの家に近づくと衝撃音が聞こえる。
タイラ「稽古中か」
フレイヤ「みたいね」
タイラはティンタンのハッシュドア就職と同時に押し切るようにハッシュドアに就職した。
数ヶ月前
フルド「言っとくが薄給だぞ」
フルドの忠告も虚しくタイラは就職した。
本人は少なくとも奴隷になるところを助けてもらったオタル、フルド、フレイヤに恩を感じながら、少しでも役に立とうとしていた。
その中にフルドへの恋という下心もあるが、
少し前チヨを恋敵と思って憂鬱になっていたこともあるが、
それはまた別の話
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タイラはプルートゥが投げられて地面を転がる姿を目にした。
フルド「マジになんなよ、おうお二人さんおかえり」
タイラ「ただいまです。お客様?」
フレイヤやは手だけで挨拶を返す
ベル「フレイヤ様お邪魔してます」
フレイヤ「いらっしゃい、休暇?」
ベル「そんなところです」
フルド「タイラ、前言ってたプルートゥとベルだよ」
タイラ「あー、はじめましてタイラです」
ベル「はじめまして、よろしくタイラさん」
タイラ「タイラでいいですよ」
ベル「じゃあ私もベルで」
タイラ「おっきいですね、」
ベル「まあな」
オタルに投げられて地面を転がった、起き上がったプルートゥが笑みを浮かべる。
プルートゥ「もう一度頼む」
オタル「うん!」
ティンタン「すごいなぁ、、」
フルド「本当だなぁ」
フレイヤ「あんたらもサボってないでやりなさい」
フルド「へいへい」
ティンタン「すみません」
フレイヤ「ベルは稽古とかしないの?」
ベル「護身程度ならな、でもてんで才能がないもんでな」
フレイヤ「諦めるの早いと思うけど」
ベル「いいんだよ、私は口のほうが性に合ってる」
フレイヤ「あなたってヴァンヘルトでも少派?」
ベル「んー、そうだな、勉強ばっかだったしな」
タイラ「とても偉いと思いますけど」
ベル「こっちじゃ、勉強や計算なんてのは弱いやつがするもんだったからな」
タイラ「、、、」
ベル「言っとくが別になんともおもってなかったからな、母親は強かったし、親父は強くなくても上の立場だったし、弟も母親似で強かったからな、恵まれてたよ。タイラの親はどんな人なんだ?」
タイラ「あー、母親は早くに死にましたし、父と呼べる人は色々と、、、」
ベル「すまん、悪いこと聞いた」
タイラ「別に今はこうやってフル、、皆さん不自由なく幸せに暮らせてますから」
ベル「そうか、なあ、一つ聞きたいんだが」
タイラ「はい?」
ベル「あのフルドのこと好きなのか?」
タイラ「はい!?いや」
フレイヤ「やっぱりわかる?ほらタイラあなたバレバレなのよ」
ベル「さっきからチラチラ見てるしな」
タイラ「、、、、、、」
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フルド「くっそ負けた」
ティンタン「ふぅ、」
フレイヤ「あんたまだ一回も勝ててないんじゃないの?」
フルド「うるせぇ、」
ティンタンが倒れたフルドに手を伸ばす。その手を掴みながら愚痴をこぼす
フルド「こいつ、なにが落ちこぼれだよ、詐欺だ詐欺」
ティンタン「これでも小さい頃から稽古してたんだよ、簡単に負けたら落ち込むよ」
フルド「槍っていまいちやりにくいんだよな」
ティンタン「槍使ってみる」
フルド「そうだなぁ、ちとつかってみるか」
オタル「次は僕とする?」
フルド「おう」
オタル「じゃあティンタンとプルートゥでやっとく?」
ティンタン「え?ちょ、ちょっとやめとこうかなぁ死んじゃうよ」
プルートゥ「俺が防御するだけならどうだ?」
ティンタン「え、、いいの?」
プルートゥ「習った防御の練習もしたい」
ティンタン「そ、それならよろしくお願いします。」
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ベルは興味を感じた。
初めてオタルとフルドの稽古をみる。
フルドが攻め、オタルがそれをいなし反撃をする。フルドの攻撃は当たらずオタルの反撃を受ける一方だ。
少なくともベルの目にはプルートゥでさえまともに受ければ倒れる、オタルの脅威的な拳をフルドは何度受けても、当たり前かのように攻撃をやめなかった。
それはプルートゥの目をしても一緒に感じた。
ティンタンとの稽古を中断してその稽古を見入る。
ベル「なあ、オタルのあれ、手加減、、してないよな」
フレイヤ「うん、色々あって丈夫なの」
ベル「加護は聞いていたが、あれほどとはな」
フレイヤ「最初に比べてかなり強くなってるみたい、毎日のようにあんだけ食らってればね」
ベル「頑丈の加護か」
フレイヤ「オタルにとっては貴重な動く的だからね」
タイラ「フレイヤさん、、言い方」
ベル「そうだよな、オタルの拳を受けるやつなんて早々いない、気兼ねなく本気で稽古できるってことか」
フレイヤ「そゆことね」
一方、プルートゥは見惚れていた。
フルドが受けている拳は先程自分が受けていたものとは違い魔力が最高に練られている。
自分を殴っていた。柔らかく練られていた魔力と違った。自分はあの拳を何発耐えられるだろうかと、
オタルの拳と共にフルドの頑丈さにも敬意を感じた。
プルートゥ「申し訳ない」
ティンタン「え?」
プルートゥ「今までフルドの強さを見誤っていた。」
ティンタン「あー、すごいタフだよね、僕もびっくりした、本当すごい」
プルートゥ「いつもあのような稽古を?」
ティンタン「うん」
プルートゥ「そうか、、、、」
小一時間ほどオタルとフルドは稽古を続けた。
フルドがオタルに立ち向かい、殴られ、投げられ、その度に受け身を取り、間髪入れずオタルに剣を振るい、弓を打ち、立ち向かう。
それを休みなく続ける。
そうしてフルドはオタルについていくスタミナと実践経験を積んでいた。
稽古も終わり、皆で休憩をとる。
ベル「よくまああの拳を小一時間も」
オタル「最近避けられる回数が増えたよね」
フルド「こちとら必死だぞ、あ、鼻血」
タイラ「フルドさん」
タイラは手慣れたようにちり紙を手渡す
フルド「おう、ありがとよ」
プルートゥ「フルド、俺と」
フルド「お断りしますー」
プルートゥ「むぅ、、」
フルド「サンドバックは一日一回で十分だっつーの」
オタル「休憩終わったらまた稽古しようよ」
プルートゥ「ああ、是非」
フルド「熱心だねぇ」




