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鉄腕オーク   作者: 利
オークと魔女と異世界人
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新国ヴァンヘルト

遺跡の発掘現場、数十人の関係者が発掘に携わている。

その光景を眺めるオタル・イディアス・ヒルジィ

フルドは旧友と久々の再会を喜んでいた。

フレイヤとマリーも顔見知りでありお茶を挟みながらオタルには難しい話を談笑していた。


「凄いですね、古代エルフの遺跡ですか?」


オタルは半分ほど発掘された遺跡をみて感激する。


「いや、たぶん違う、それらしいものは出てますが、多数の種族が集まる場でしょうな」


「そうなんですか?ここは古代エルフの町があったと聞いたので」


「間違えではないが、ここは他種族の形跡がたくさんあったので、今のようにたくさんの種族が入り混じった環境だったのが最近の定説だからね。最初に古代エルフ製が大量に見つかったので皆エルフだけの文明だと勘違いしていたのかもしれません」


イディアスの話を興味津々に聞くオタル



中に入るか?イディアスにそう聞かれたオタルは嬉々と返事をした。

遺跡の中、地下に近いその広間の奥は瓦礫で埋もれ、発掘関係者がせっせと慎重に瓦礫を片付けていた。


中に入ったオタルはふとその懐かしい雰囲気を感じ取った。


オタル「なんだか魔素が多いですね」


イディアス「オタルくんもそう感じるか、ヒルズィも言っとたからな、血脈があふれておるのか、そう言う術式があるのか、」


オタル「ダンジョンの感じに似てる気がします」


イディアス「ダンジョン、、、そうかオタル君は長くおったのだな。ダンジョンに繋がっとるということか?」


オタル「自信はないですが多分」


ヒルズィ「オタルくんが来てくれてよかったですね。ここはガノリアのダンジョンギルドみたいな施設の可能性があるということではありませんか?」


イディアス「・・・・ヒルズィ、一旦中の作業員を撤退させてくれ、魔物が出るかもしれん」


ヒルズィ「はい」


ヒルズィ近くの管理に撤退を命じてる間、オタルは自分の発言で作業が一旦中止になったことに罪悪感を感じ焦った表情をする。

そのオタルを見てイディアスはオタルに手を当てる。


イディアス「ありがとう、お陰で危険が回避されたのかもしれん」


オタル「でも、、もし、なにも無かったら」


イディアス「それは指示をだした私の責任だ、心配ない」


オタル「、、、、」


イディアス「君が来てくれて良かった」


オタルはその言葉に申し訳なさを感じつつも

はいと静かに返事をした。


がこん、



発掘作業が中断され、静かになった遺跡内で、オタルは聞き取った。

小さな音が少しずつ大きくなる。


今まで発掘作業の音でかき消されていた音。


オタルがよく知っている音だ。

ダンジョンで聞いていたダンジョンを掘る音。


オタル「イディアス先生、作業員は他にいますか?」


イディアスもその音が聞こえ不可解に思う。


イディアス「ダンジョンの気を感じる上に瓦礫の向こうから音が聞こえる。これは・・・」


足音が聞こえる。ヒルズィのものだった。


ヒルズィ「先生、撤退終えました。」


オタル「ヒルズィさん、先生を連れて逃げてください」


ヒルズィ「え?」


オタル「 僕は大丈夫です。早く」


その瞬間、瓦礫から爆破が起きる。衝撃で瓦礫がオタル達を襲った。


煙が薄れる


イディアスとヒルズィの盾となってオタル。

ほとんど無傷ではあった。


オタル「先生、ヒルズィさん、怪我は?」


イディアス「ああ・・・大丈夫だ」

ヒルズィ「は、はい、大丈夫です。オタル君は」


オタル「平気です。」


イディアス「爆発?一体なんの」


オタル「、、火薬、、、」


奴隷としてダンジョンで採掘していた時、爆破採掘も経験していたオタルはこの匂いを知っていた。


爆発の起きた瓦礫の向こう、空洞の中から足音が聞こえる。


煙の中から徐々に人影が現れた。


女「ほー、便利なもんだな火薬ってのは」


オーク「しかし、魔力無しなのはいいが、手間が大きい。魔法の方が楽ではないか」


女「魔法士がいない時は役に立つだろう。魔力の節約にもなる」


煙が薄れ若い女と壮年のオークの姿が現れる。

その後ろにも何人かの気配があることをオタルは察した。


オタルとアマゾネスとオークの目が合う


アマゾネス「おい、こんなところにもオークがいるぞ」


オーク「赤いな、初めて見る」


アマゾネス「後ろはゴブリンとエルフか」


アマゾネス「どうする?赤いの明らかに敵じゃないか?」


オーク「あれは強いぞ」


オークはオタルを一眼見て


???「戦いに来たんじゃない」


二人の会話の間に初老のアマゾネスが現れた。

そして彼女はオタルの姿を視認すると、ほぉっと関心を示した。


そして口を開ける


初老のアマゾネス「爆破に巻き込んでしまって申し訳ない、お怪我はありませんか?」


初老のアマゾネスは頭を下げた。


オタル「・・・はい」


オタルは警戒を緩めない。


初老「後ろのエルフさん、魔法を打つ気だろうがやめてほしい。こちらには争う気はない」


オタル「ヒルズィさん解いて下さい。」


その言葉にヒルジィは魔法を解く。


初老「ほう・・・・私はイシス・ウォード、良ければ名を聞かせてくれないか赤きオーク」


オタル「・・・・・オタル・ハッシュドアです。」


イシス「上の者と話したいのだが、それとも貴方がそうかな?」


オタル「い、いえ、」


イディアス「私はイディアス・ジョンズ、ここの責任者だ。すまないがここはセト国の領土、不法侵入となるがそれはご承知か」


イシス「そうか、それは申し訳なかった。色々と計算が狂ったようだ。この国の境に出るつもりだったのだが、、、、」


イシスの命令で遺跡の中で待機していたアマゾネス、オークたちは30以上はいた。

この遺跡はおそらく、ガノリアのダンジョンと同じような地界洞窟。

アマゾネスの土地から繋がっていた洞窟を通って彼ら彼女らはこのセト国の地に現れた。


外へつながる出口をオタルが門番のように立ち塞がっていた。

まるでここを通るなら自分を倒せと言わんばかりの目で。


そのオタルの気にアマゾネスとオークの幾人かは闘志を露わにしていた。

何か起きればいつでも戦いが始められる程の緊張感が遺跡内の空間を埋め尽くしていた。


カツカツカツと足音が外から近づいてくる。

オタルはその足音が誰かすぐに理解する。


黒い髪の美女が遺跡の中に現れた。

アマゾネスとオークは一瞬。その美女に目を奪われた。イシスも彼女、フレイヤの魔力を感じ取り感心した。



フレイヤはオーク達を睨みつけているオタルに後ろから肩に手を当てる。


フレイヤ「これはこれは、私達が行くこともなかったじゃん」


遅れてフルドもその場に現れる。

オーク、アマゾネス達はフルドに対してはあまり関心はないようだ。


フルド「うお、やっべ、え、まってこれやばくね。クリス!ダメダメ!」


外にいるであろうクリスに手でバッテンを作り中に入らないように促す。


イシス「魔女様ですかな?イシス・リンデです。

セト国にあなたのような要人がいるとは聞きませんでした。」


イシスの凛とした態度にフレイヤはいつもの態度をやめた。


フレイヤ「フレイヤと申します。私は勇国ガノリアの者です。とある事情の為このセトに参りました。

クリフォードの関係者とお見受けしますが、あなた方でお間違いありませんか?」


イシスはニコリと笑う


イシス「はい、私たちはオーク王クリフォードの名の下に集うヴァンヘルトの使者です」


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