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鉄腕オーク   作者: 利
オークと魔女と異世界人
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勇王アルフレド・ディンクス

春、まだ冬の雪が残る。


とある情報をもってフレイヤが、俺とオタルの事務所に訪れていた。


「え、調査隊ダメだったん」


「待ち伏せだったらしいわ」


「なんで山脈からいったんだよ、海沿いルートあったろ」


「そっちはセトが許してくれなかったのよ。唯一アマゾネスとの交易ルートでしょ?」


「けどよー」


「セトは関与なし、国境の山岳ルートならってことでどうにかって話通したみたいだけど」


「・・・・・・」


俺とフレイヤが話していると、オタルがフレイヤが訪れてた料理していた品をテーブルに置いた。


「調査隊の人達無事だといいけど」


「そうねー、ありがと、空腹だったのよー」


ーーーーー食後ーーーーーーー


「クソ喰らいめ」


フレイヤの紡織は困る。

食料の半分をやられた。この大食いは遠慮を知らない。


「御馳走さまー」


「はいフレイヤ、お茶」


「ありがとー」


腹をポンポンと撫でながらフレイヤはご満悦のようだ。

食後のお茶を出したオタルも感無量といった表情で食器を片付ける。


「そんで?さっきの続きは?」


「言い値でいいわ」


「?」


「諸経費は全部こっちもち、仕事内容は南部の調査の続き、行方不明者の捜索、救出、得意でしょ」


「・・・・そういうこと」


フレイヤの提案にオタルも反応した。


「フレイヤはいくの?」


「もちろん、セトまではビンゼルが同行する」


「・・・・・・フルド・・」


オタルは悩んでいるようだ。俺の名前を呼んだ。長い間事業を開けることになるだろう。オタルがいなければこの助屋ハッシュドアも機能しない、


「なあ、俺も言ってもいいのか?」


「うん、不本意だけど」


「あっそ、オタルはどうする?」


「・・・・・僕は・・・・行きたい」


俺はというと行かせたくはなかった。

仮にも同族を殺しに行くわけだ。

しかし、オタルの意思は強く感じる。自分の情報がもとで捜索隊の数名が行方不明、本人としては責任を取りたいのだろうか。


オタルがいうからには仕方ない、助屋ハッシュドアはフレイヤのを仕事を置けることにした。


ーーーーーーーーーーー


勇都ガノリア、元は魔王国ガノリアをアルテリア王国が戦争後に領地にしたのち、

最大の功績者、勇者アルフレドが領土を受け取りその後独立を果たした国だ。


王となり勇王と呼ばれるようになってから約20年、アルフレドは自分の執務部屋で書類に囲まれながらため息をついた。


「肩がこる、稽古がしたい」


「もう少しです、休憩にしましょう」


後ろから休憩のお茶を書卓に置いたのは、側近の犬の獣人ケルヴィンだった。


「今日の予定は?」


「パルミアの使者と会合がございます。」


「ウランダの件か?」


「はい」


「・・・・・・・・魔族奴隷撤廃、、お前は失敗だったと思うか?」


「魔族に聞きますか・・・・・わかりません、各国の批判は大きいです。しかし・・・・・」


「何でも言ってくれ」


「私は正解だったと思っております。おそらくですが、撤廃ををしていなければ今頃、内乱が起きていたかもしれません」


「しかし、ウランダやアルテリアとのいざこざもなかったかもしれんぞ。」


「それは勇王がうまく立ち回れば収まる話です」


「それができんから苦労してるんだ」


勇王アルフレドはそうため息をつきながら、紅茶を飲む。

窓の外、ガノリアの街並みをながめた。


「よいのですか?」


「ん?」


「フレイヤ様、明日の朝には出立するようですよ。」


「そうか、一度しか返ってこなかったな」


「お仲間ができたそうですよ、」


「・・・・・・・・あのオークか」


「御心配ですか?」


「別にそういうわけではない、オタルハッシュドアだ。いまだによく覚えている」


「レオンの教え子と聞いてます」


「レオン殿と知り合いだったか、オタルは?」


「いえオタル氏はまだ」


「そうか、深層から生還した彼は」


「噂は聞いております」


「・・・・・・フレイヤの件、オークの反乱、もし本当なら彼はさらに肩身が狭くなるな」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルフレドの記憶


初めて彼と出会ったのは1年ほど前だ。

ある日、私に情報が届いた。


オークが深層から生還した。


その時の私としてはダンジョンから魔物が現れたという感想でしかなかった。

しかし驚いたのは討伐されたのではなく保護されたという情報だった。


その情報に一番に興味を示したのは遊びに来ていた、魔女のエルダだった。喜々としてそのオークの元へ足を向けた。

そして次の日、エルダに連れられて彼と初めて対面した。小奇麗な服を着て私の前に来た彼を見て20歳にも満たないそのオークに今まで出会った猛者たちと同様の存在感を感じた。

いや、脅威だったのかもしれない・・・・・


会話をしてみれば覚束ない、3年以上も深層で一人で生きていたのだ。

それでも十分に話せた。

その風貌からは予想できない優しい口調のオークに驚愕した。

言語を操るオークは何度も見たことはある。しかし、こんなに教養のある言葉を話すオークは初めて見る。


彼がもたらしたのはとても価値のある情報だった。

深層の魔物の特徴、

深層の底にある文明の存在

地理、深層までの道


これからのダンジョンの国務に大きな利益をもたらした。

エルダはオタル個人に興味があったようだ。ジルクもそうだった。

彼はオタルハッシュドアの強さに興味があったようだが。何度かオタルハッシュドアと手合わせをしていたようだ。

エルダとジルク、二人の強い勧めもあり、彼に勇都の戸籍を用意し、勇王勲章を授けることになった。

異例中の異例、いまだあれは失敗だったのではないかと不安に思うこともある。


しばらくして彼が勇都を出たと聞いた。聞けば風評被害、わからなくもない。魔物が町をうろついているなんて恐怖も感じるだろう。オーガ族のヤマト家も関わっていた。ある意味私の責任もある。ゲラルトワーカーズにはすまないことをした。オーガ族との間に入り、ゲラルトワーカーズにも仕事を回したりと、担当してもっらたザックス兵士長には苦労をかけたと思う。まあ私は終わった後で聞いただけなのだが。


そしてまあ世界は小さいと感じた。

あのフレイヤが同行者を作ったと聞いた。しばらくビンゼルとその弟子しか同行を許さなかったフレイヤが珍しいと思ったが、まさかその同行者があのオタルハッシュドアとは驚いた。もう一人は異世界人とは聞いたが、よく知らない。


今そのオークが王都に帰ってきた。いちいち彼の情報を知りたくなる時がある。

今度王都に招待するのも悪くないかもしれない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



























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