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鉄腕オーク   作者: 利
オークと魔女と異世界人
38/70

ゲラルドハッシュドア

ゲラルドは聡明なゴブリンだった。

私に才能があると一番最初に言ってくれた。

私もそれに応えようと努力した。


ゲラルドは今のオタル君のように、人当たりのよく優しいゴブリンだった。

分け隔てなく誰にでも優しい、心配になるほどのお人好しだった。


共に考古学を学び研究し探求した。


10代の後半には彼に妻ができ、子供ができた。


その子の名前はオタル


その子供が15になり成人を迎えた頃。

戦争が始まった。

魔族と人間種の小競り合いがとうとうその燻火を業火に変えた。




私は考古学の権威として戦争には参加できなかった。ゲラルドも同様に、いや、私が無理やり止めたのだ。彼は考古学界には必要な人間だったのだから。

ゲラルドの家族も引き連れ、戦火の及ばない西へと逃げる。


しかし、息子が志願し、親子喧嘩をするように戦争に向かった。

同じくしてゲラルドの妻が病に倒れた。


アルタイル国のとの、戦争は熾烈を極め、勇者と呼ばれて者の力は絶大で、

勇者の率いる部隊は数々の魔王軍の主力を壊滅させた。


戦争が1年続いた頃、オタルの戦死が伝えられた。

レオン率いる獅子部隊、オタルの子は戦いの面においてもかなり優秀だったらしい。

勇敢で素直な子だった。


ゲラルドは妻にはそれを言わず

獅子部隊で活躍しているとだけ伝えていた。

一人で苦しんでいたのを今でも覚えてる。

悲劇はまたすぐに起こる。

ゲラルドの妻が亡くなった。29だった。


そして彼は戦争に向かったのだ。

わたしには止める言葉さえ言う事ができなかった。彼の気持ちなど独り身のわたしには到底理解できるものではなかったから。


それからの事はわからない。

探してはみたが、消息は不明

戦争が終わり、勇国が独立し、そこの学者として迎えられた。

憎むべきなのかも分からず、ただただ研究に没頭していた。


そうする事しかできなかった。

それしかなかった

せめて、ゲラルドの夢、歴史の穴を埋めること目指して・・・・・


彼がいれば考古学の世界もまだ進んでいたのではと今でもふと考える。



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