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鉄腕オーク   作者: 利
オークと魔女と異世界人
25/71

死闘


「オタルーーー!!!フレイヤ!!!」


フルドは二人を探す。

雲の境目から日が差し込むが、

チラホラと雪が降り、時折吹く風に身震いする。


「こんなんで死ぬタマじゃねーだろ!!!フレイヤはついてないけど!!!」


その声は届いていた。


「うるさい」


半分寝ていたフレイヤはそう呟いた。

雪の中、黒帯の繭で、オタルの治療と寒さを凌いでいたフレイヤは2日間も魔力を消費し続けていた。

魔素の少ない高所と言う条件が重なり、フレイヤも限界に達していた。

魔力の節約のために黒布を展開し続けながらも仮眠を取っていた。


フルドが探しているとボフっと積雪が爆発した。

急いでその場所に走り寄る。


「おい大丈夫か」


積雪が爆発し、ボッコリと空いた穴の下中央に黒帯の繭が見えた。黒帯の繭が解けて、眠るオタルとフレイヤが繭の中から現れる。


フレイヤの見た目は信じられない程変わっていた。


「テメェの親父はドラゴンかなんかか?」


魔族というよりは人型の魔物と言えば近い姿。

少し驚きながらも二人の元へと雪を滑り降りる。


「大丈夫か?」


「・・・・なんとか」


「凶暴化とかしねぇだろうな、?」


「しないわアホ、私ちょっと寝るから・・・限界」


「おい、おい!・・・・まじで寝やがった」


寝てると言うより気を失っているに近いフレイヤ、肩を揺さぶる程度では起きなかった。

オタルも息があるがこんな気温で寝ていたら二人とも凍死してしまう。

フルドはどう二人を運ぶか考えていると、ザクザクと雪を踏む音が聞こえ、音の方向をみると

クリシアがこちらに歩いて向かって来ていた。


「・・・・・ほんといい女だなクリシア、惚れちゃうぜ」


とフルドは牝馬を褒めた。


ーーーーーーーーー


オタルは静かに目を開けた。


自分を縛る感覚、視界にはフルドがクリシアの背中にオタルを積み、フレイヤとオタルが落ちないように落縛っていた。


「・・・フ・・・ド?」


「よう起きたか、大丈夫か?」


「・・・フレイ・・」


オタルが起き上がろうとすると目眩と痺れが体を襲い上手く起き上がれなかった。


「大丈夫か失ってるだけだ、フレイヤずっとお前の看病してたぽいな」


「・・・・・そっか、後でお礼、、、、」


「大丈夫、今からクリシアに運んでもらうから・・・・うし、完了」


オタルとフレイヤの固定が終わった。フレイヤは一応魔物のような姿を見てはいけないような気がしたフルドが、全身を隠すようにフルドの防寒着で覆っている。


その直後、クリシアが慌てたように高い声で鳴く。


シュオンと微かな音がフルドの耳に聞こえた。


どこからともなく幾つもの火球がフルド達を襲った。

凄まじい爆発が雪を蒸発させ、蒸気が一面に飛散する。


クリシアは俊足でその場を離脱。フルドは火球を数発貰い、上半身の服が燃えていた。


「あっち!!!くそ!!いけ!!クリシア!!!」


クリシアに向かう火球、それをフルドは飛んで己を盾にして防ぐ、フルドを火が包む。


しかし数発、フルドに当たらなかった火球はクリシアの引くオタル、フレイヤに向けて飛んでいく。


クリシアの俊足でも積雪の影響か、

頭のいいクリシアには、これ以上速度を落とせばオタル達が落ちてしまうと理解できているのか、火球から逃れらる速度を出せていない。

距離が一気に縮まり爆発をおこした。

蒸気と雪煙が舞う。


雪煙のが消え、フルドは安堵した。雪煙の中から黒帯が見える。

とっさに起きたフレイヤが防御したのだ。


しかし、気を失うようにフレイヤは再び気を失い、オタルにもたれかかる。オタルは朦朧としながらも痺れた身体でフレイヤをソリから落ちないように手で支えた。


「・・・・・フルド」


オタルはクリシアに引かれながら、徐々に小さくなるフルドを見続けた。



「みた?」


「ああ、アレくらってピンピンしてやらぁ」


姿を現したのは2日前、オタル達を襲って返り討ちにあった双剣と魔法使いのアマゾネス二人、


フルドは気づいた。

二人の足取りが悪いことに

魔法使いの方は魔力切れか近場の木に寄りかかる


アマゾネスは凶暴そうなその表情とは裏腹に足腰に力が入っておらず、雪の足場にバランスが定まっていない。


オタルとの一戦のダメージが抜けてない。

そして、数日のこの寒さで、その時より消耗してるとフルドは直感した。


二人に向けて剣を抜き、雪を蹴った。


ーーーーーーーーー


バンズは走ってくるクリシアに気付く。

バンズの側に止まる。フレイヤとオタルの姿を確認した。


「・・・フレイヤさんか?」


変わり果てたフレイヤを見て動揺しながらも

二人とも弱っていることに気付く。


「二人を火のそばへ、フルドさんは?」


バンズの言葉と同時に、クリシアが鼻息を鳴らす

そしてコランがバンズの前に立つ。


バンズはコランの背中越しに、コランの視線の先をみた。

コランが唸り声を上げる。


雪原の先に人影、いやオークの影がそこにあった。

意識のもどったカタリナが静かにそのオークの名をよんだ


「ブジマ・・・・・」


「・・・・バンズさん、ミルを、逃げて」


骨折した腕で、勇敢に格上のオークに立ち向かおうと覚悟を決めたコラン、

バンズは後ろから静かに指示をだした。


「時間を稼いでくれ、合図をしたら横に飛べ」


コクリとコランはうなずくと茶色のオーク、ブジマ目掛けて突進を開始した。


「ダメ!コラン!!」


「逃げろ!!ミルさん!!リムル達を!!」


「親父!!」


バンズはクリシアの後ろ足を叩く、察したクリシアは地面即座にリムル達の側に走り寄る。


カタリナを起き上がらせようとしたリムルは貧血でふらつく、それをミルが支えようと近寄る。


バンズは石弓の装填を開始した。


コランと茶色のオーク、ブジマの距離が一気に縮まる。ブジマの武器は腰の短剣だけだ。戦斧はおそらく雪崩で紛失している。


お互い、手を振りかぶる。

ブジマは短剣抜きはせずに拳で対応した。


鈍い音と共に二頭のオークの殴り合いがはじまった。


拳を受けたのはコランの方だった。

体格はコランの方が上、しかしながら、戦闘力は圧倒的にブジマが上だった。

コランの拳は空を切り、ブジマの拳はそのコランの巨体を殴り飛ばした。


同時にバンズの大石弓の装填が完了し、距離の空いた瞬間を狙いブジマに的を絞る。


引き金を引いた。


凄まじい速度で放たれた矢は一直線にブジマに向かう。

しかしブジマは身体を捻りそれを辛うじて避けた。

完全に避けることはできず、胸から肩に矢の裂傷を負うも、顔色ひとつ変えずに再び装填を始めたバンズに向け地面を蹴った。


装填を急ぐバンズ

しかしブジマの足の方が早いのは明らかだった。


コランは辛うじて意識があるものの脳を揺らしまともに立てていない。


装填を待たずしてブジマがバンズの側まで一瞬で距離を縮め、腕を振り上げた。

バンズは間に合わないと覚悟を決める。


ブジマが腕を振り落とす瞬間、衝撃と共にブジマの視界が回った。ブジマはそのまま地面に叩きつけられた。


咄嗟に起き上がり距離をとるブジマ

ブジマの目の前にはオタルが立っていた。


辛うじて立っていた。



「クリシア、、、バンズさんも一緒に」


「その体でやる気か」


バンズが心配そうにオタルに問いかける。


「・・・・はい」


しかしながらオタルは完全な状態ではなかった。

発汗、湯気がはっきりと見える、明らかに熱がある。


逃げる案もあるが、クリシアに全員乗せるのは厳しい乗せられない者はブジマに追いつかれるのも時間の問題である。

誰かが時間稼ぎをしなければいけない。


「・・・・・・・・・・」


ブジマはオタルを睨む。

そして後ろでバンズは静かに決断をする。


「オタルさん、頼んだ」


「はい」


オタルは力一杯息を吸い込み、鼻から吐いた。

腰の短剣を抜き構えた。


ブジマも剣を抜き、ザクザクとその脚を早め突撃する。


二人が衝突する、お互いの剣がガキンと言う音をなした。

オタルが押される形で二人は地面に転ぶと、ブジマはオタルよりも早く起き上がり追撃を図る。


力なくもブジマの剣をナイフで受けて、逸らし、流す。しかしながら全てを裁くことは出来ずに

ブジマの剣がオタルの身を裂く。

オタルの身体に裂傷が次々と増えていく。


意識を回復したコランも再び参戦し突撃する。


ブジマは剣を受け膝を着いたオタルに蹴りを入れ横転させると即座にコランに対応、剣をコランに突き立てた。


ブジマの剣をコランは骨折した腕で受け止める。

深々と刺さる剣、コランは怯まずにそのまま肩でブジマに突進した。


衝撃音とともに激しい雪煙が待った。


ーーーーーーーーーーー


ドンドンと爆発音が森に響き

樹々に積もった雪が落ちるていく。


フルドは火球を避けながら樹々の間をすり抜けながらアマゾネスの魔法使いと剣士の距離を縮める。

全ては避ける事は出来ず、フルドの服はほとんど焼け焦げ、皮膚はほんの少しだけ火傷を負い赤くなっていた。

フルドとアマゾネス二人との距離がなくなる。


「んだよ!あいつ!!!」


「ピオ!!もう魔力限界!」


魔法使いのアマゾネス、ズーはフルドの異常な防御力に焦りを覚えた。ほとんどダメージを与えられていない。今の魔法がズーの精一杯だ。残り何発打てるかわからない。


アマゾネスの剣士ピオも同様に驚きを隠せなかった。


焦りから狙いが荒くなった火弾を避け魔法使いズーに迫るフルド。その、間にアマゾネスの剣士ピオが立ち塞がった。

フルドがピオに剣を突き立てる。雪崩で双剣をなくしたピオは腰の短剣でそれを受け、右拳を振るった。


ゴン!とピオの拳はフルドの頭に直撃し地面に叩きつけられる。ヒビの入ったピオの肋が軋み、歯を噛み締める。

ピオが間隔を取ると隙をみてズーが火弾をフルドに直撃させた。


今撃てる最大魔法、全ての魔力の出した量も質も大きさも桁違いの火弾、大きな爆発が起きる。



木々は焼け、、炎に包まれた一帯の雪は激しく蒸発。激しい蒸発音と共に、辺りを水蒸気の煙が空に上がる。


しかしそうまでしてもフルドを仕留めることは出来なかった。

煙の中から煤で真っ黒になり全裸になったフルドが再びピオに突撃した。


ズーの感情が恐怖で染まった。


異常な防御力にピオとズーは再び驚愕した。


「くっそ!!」


とピオは短剣を振る。フルドの頭に直撃、そのまま反転し地面に叩きつけられた。

しかしピオの太腿にはフルドの剣が深く刺さっていた。


間髪入れずにフルドは起き上がった。こめかみには微かな切り傷ができていた程度。

そのままピオの身体に拳をめり込ませた。


バキッと、ピオの肋骨が悲鳴を上げた。

オタルの一撃によりヒビが入った肋骨が完全に折れたのだ。ピオ相手になら普段なら何発食らおうともダメージにならないだろう。

しかし、フルドの拳が魔力の消耗と蓄積されていたダメージにより、ピオの身体を破壊した。


「がぁ!!!!」


ピオは驚愕し混乱し、痛みに苦悩した。

もはや彼女には大した力は残っていなかった。

雑魚扱いできる程度のレベルのフルドに押し負けるほどに。


馬乗りになりフルドはピオの顔面を殴打し続ける。ピオも倒れながら反撃するも構わずフルドは

ピオを攻撃し続ける。


すぐさまズーが杖を使いフルドの頭を殴打する。


「この!!離れ!!」

 

フルドはズーに殴打され怯みながらをピオを殴り続け、涙目のズーに数回叩かれた後、フルドは振られた杖を掴み、立ち上がると、ズーの顔面に右ストレートを入れた。倒れたズーに馬乗りになると、ズーの喉を掴み締め上げる。抵抗するズー、フルド腕や顔を叩きながら必死の抵抗をみせる。そんな抵抗を大人しくさせようとフルドは片方の手でズー顔面を殴りだした。


後ろで立ち上がったピオがフルドの頭を両手拳で殴打、顔から地面に叩きつけられるが、当然のように起き上がりピオに突撃する。


ズーはゴホゴホと咳をしながら這いずりながら距離を取ろうとする。

もう立ち上がる体力すらないようだ。


ピオとフルドそのまま揉みくちゃになりながら喧嘩のような泥仕合を繰り広げた。

フルドのボディブローが決まる。倒れるピオ。

フルドの膝蹴りがピオの顔面に直撃する。

再び馬乗りになると。ピオの抵抗がなくなるまで殴りつづけた。


ズーは必死に這いながら杖を掴もうとする。

しかし、ズーの手を足が踏みつけにした。


「!?」


足の主フルドは、杖に伸びる手を阻止した後、もう片方の足で、ズーの顔に踏みつけるように手加減のない蹴りを入れ、ズーの意識はそこで無くなった。

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