君は宝物それは永遠に。
俺の名前は高橋一樹。今はバリバリの中学一年をやってる。 実は俺には入学してからずっとずっと気になってる女子がいる。あっ!ちなみに今は夏休みの前日。
その女子の名前は渋谷杏奈。 渋谷は陸上部、俺はサッカー部だ。
明日から夏休みだしと思って俺は思いきってメアドを聞いた。
「渋谷…メアド教えてくんねぇ?」
「良いよぉ。」
普通に教えてくれたのがなんか嬉しかった。
その日の夜、ベットに横になりながら渋谷にメールを打った。
「うっす!高橋です!」
2分位で返事が返ってきた。
「高橋クンょろしくねぇ!」
渋谷にとっては普通の返事だとしても俺はドキドキして嬉しかった。
「明日部活めんでぇ…。」
「頑張れよぉ。たぶんあつぃけど。」
「分かった。渋谷明日部活あんの?」「あるよぉ。一緒に頑張ろぅね!」
その言葉を見てなんも考えられなくなった俺は
「おうっ!」って返した。
明日も渋谷に会える。そう思うと胸がドキドキした。
たまに少し話したりはする。 小学校までは好きになった子がいたら真っ先に親友の政樹に伝える。でも中学に入ってから政樹は一流のなんか良い中学に行ってしまった。
相談は出来ない。女子と話すと少し上がってしまうからそういう時には政樹がフォローしてくれた。
明日も渋谷とうまく話せるか不安な気持ちと明日渋谷に会える喜びとで複雑な気持ちのなか眠ってしまった。返事が返せないまま。
次の日
7:30に学校集合の予定だ。
6:00に起きて朝御飯を食べて着替えて6:50に家を出て学校に向かった。
学校までの道はずっとドキドキしてた。
大げさかもしんないけど実際そうなってしまう。
学校に着いたらまだ渋谷は居ない。陸上部は8:00集合かな? そんなことを思いながら基礎練習を始めた。
8:00にある女子が校門から入ってくる。渋谷ではなかった。 でもそこからどんどんと陸上部が校門から入ってくる。
渋谷がいた。ちょうど休憩時間に入り、渋谷に話しかけた。
「昨日はメールごめんな。返せなくて。」
渋谷はブイサインをして言った。
「大丈夫ぅだよぉ。」
「本当にごめ…」そう言った時後ろから
「おぉい高橋!さっさと来い!始めんぞぉ!」
部長の声だ。
「ごめん。」と言ってその場を去った。これからはハーフコートを使ったミニ試合だ。あぁ!集中出来ねぇ!
渋谷が気になる。どうしても陸上部の方に目が行く。
渋谷と目が合ってしまった。すぐに目をそらした。
ミニ試合が終わったあと、渋谷が
「ワタシのこと見てたでしょぉ!」やっぱり気付いてたらしい…。そのあと一週間おと沙汰なく進んだ。そろそろ気持ち的に我慢が出来なくなってる。好きって言う気持ちが我慢出来なくなってる。告白したい!
メアドを聞いてから一週間後、部活が終わってから告白した!
「渋谷…話あんだけどちょっと良いかな?」
「う…うん。」
校庭の隅に二人で歩いて向かった。そして俺は
「渋谷、好きだ。付き合ってください。」
「ちょっと待って。」「し…しっかりと考えさせて…。」おどおどしている。
仕方ないよな。いきなり告白されたんだから。
「明日でも明後日でも良いからさ。ゆっくり考えても良いよ。こんなにいきなり言ってごめんな。」
「明日まで考えさせて…。」
「良いよ。」
こう言って俺はその場から姿を消した。
次の日、
渋谷からメールで
「昨日の場所で会おう。」
って来た。
ドキドキしながらその場所に向かった。
渋谷が座ってた。渋谷は俺が来たらきょろきょろ恥ずかしそうにしている。渋谷が話を始めた。
「あの…一樹クンの気持ちすごく嬉しかった。っていうか嬉しい。あの言いずらいんだけど…」
ダメか…。そうだよな。こんな俺を好きになってくれる人なんか居ないよな…。
渋谷が話を続けた。
「言いずらいんだけど…こ…これからヨロシク…。」
えっ!?いやそんなはずは無い。不安だから聞いてみた。
「つまり…‘うん’ってコト?」
「う…うん。」「俺からいっといて悪いけど俺なんかでいいの?」
「一樹くんがいいの。」「なんて言うかな…ありがとう。こんな俺だけどヨロシク。」その日は渋谷と今まで互いがどう思ってたかを話し合った。 俺にとっちゃ忘れられない日だ。
次の日。
学校で話が出来た。
渋谷は
「お願いがあるんだけどいい?」って聞いてきた。
俺は断る理由もなく
「うん。」と答えた。
渋谷が
「もう付き合ってるんだからね…下の名前で呼んで欲しいの。杏奈って。」
俺は
「う…ん。いいよ。じゃあ俺のことも呼び捨てで良いからね。」
杏奈は
「もう一つだけ…あんまり付き合ってるのがばれないようにしてね。先輩達うるさいから…。」と下を向きながら言う。
「分かった。サッカー部もうるさい先輩ばっかだから分かるよ…。」と笑いながら俺は言った。
用事があるからその場を去った。
午後からの部活が終わった。いつもどうり校門の前の駐車場にしゃがんでた。友達を待ってたつもりだったのにすでにかえってたらしい。まぁ約束したわけじゃないからしょうがないけど…。帰ろうと立った時に杏奈が校門から出てきた。部活のハードルの片付けとライン引きをしていたらしい。
杏奈が俺に気付き、
「あっ!一樹ぃ!一緒に帰ろっ!」
場にはもう誰も居なかったから大丈夫か。
「おうっ!帰るか。」
笑顔で言うと杏奈も笑顔で
「ありがとっ!」
と言った。
帰り道、互いの部活のコトを話ながら帰った。杏奈の家の前についた。時刻6:30。
杏奈が
「私7:00まで大丈夫だから…。話そっ!」
「あぁ。」
セミの鳴き声がうるさい。
杏奈は俺にとってスゲェかわいい。周りがなんと言おうとね。一緒に居れる時間が幸せなんだ。
その時杏奈とは、
「いつかは約束して二人で帰ろうね。」
って約束した。
次の日、俺が大会で遠征したから杏奈には会えなかった。
その日の夜、電話が鳴った。
サブ画面をみたら‘杏奈’からだった。すぐに出た。
「もしもし。一樹?疲れてるなかごめんね。声が聞きたかったから。」
「俺も杏奈の声をすっげぇ聞きたかった。」
杏…
「そうなの?」
俺…
「うん。だから電話ありがとう。」
杏…
「うん。あのさ二人共、部活がない日にね、新しく出来たモールに行きたいなぁと思ってるんだけど…。大丈夫?」
俺…
「当たり前じゃねぇかよ!ダメな訳ないって。行こうぜ!」
杏…
「ありがとっ!うれしい。」
杏奈のテンションが上がった。電話越しでも分かる。杏奈がすぐにあくびをした。
俺が
「眠いのか?」って聞いたら
「うん。でも部屋の中の豆電球が切れて真っ暗で怖いの。」
俺…
「なら電話つないだまんまにしてさ、好きな時に寝ていいからな。」
杏…
「うん。ありがとう。」電話越しですぅすぅと聞こえる。‘おやすみ’と言って電話を切った。
でいつの間にか俺も寝ていた。モールに行く約束をしたあの日から約二週間が経った。杏奈が部活が無いらしい。俺も無かった。メールで
「おっ!行けんじゃねぇ?」って言ったら、
「ホントだぁ!いけんじゃぁん。」って返ってきた。杏奈から
「じゃあ駅に10時集合でいぃ?」ってきた。
駅は杏奈の家からも俺の家からも近い場所にあるから断る必要がない。
「良いよ。じゃあ行くよ。」
モールへは電車で二駅行ってそこからはシャトルバスが出てる。それに乗ればモールへは直で行ける。10時の10分前には駅について待ってた。10時になって杏奈がきた。
「ほな、いこか。」
「なんでなまってんのぉ?」
「なんとなくかなぁ。」お互い胸弾ませてた。あっ!でも杏奈の心はわからないけど。少なくとも俺はドキドキしてた。
そのまま電車に乗った。手になんか触れてる。
杏奈の手だ。俺らは夏休みでも世間は平日だから通勤ラッシュに引っ掛かった。
たくさん人が居るのが苦手らしい。手を握り返して
「安心して。大丈夫だからさ。」としか言えなかった。二駅先についた。
ここからはシャトルバスだ。ここからはシャトルバスだ。
シャトルバスには早めに乗って席を確保した。杏奈に座らせ、俺が立って杏奈の心配をしてた。
「杏奈、大丈夫か?」
「うんっ!全然大丈夫っ!」
元気そうだ。モールに着いた。
「楽しみだねっ!」
「あぁ!そうだな!」
モール内に入っていった。
スゲェ広い。食べ物屋だけで25件位ある。迷わねぇかな。俺はこんな広い所に来たことがなかった。圧倒されながら杏奈をみた。すると杏奈の目が輝いていた。‘相当嬉しかったんだな’と思った。
洋服を見たり、一緒に昼飯食ったり、雑貨見たり、二人で座ってアイスほうばりながら話したり、楽しかった。
あっという間に時間が過ぎ、6:00になっていた。
俺…
「そろそろ帰るか。時間も時間だし。」
杏…
「えぇ〜。」
俺…
「また来りゃ良いじゃんか。なっ?」
杏…
「えっ?また一緒に来てくれるの?」
俺…
「当たり前だろ。俺もなんだかんだ楽しかったから。」
杏…
「ありがとう。」
家の前まで杏奈を送って行った。
俺…
「じゃあな。」
杏…
「うん。…今日はありがとう。一樹のおかげですごい楽しかった。じゃあね。」
俺…
「おうっ!」
杏奈を見送ってから家路についた。
あぁ楽しかったぁ。
明日は何があるかな。
次の日
なんか杏奈とうまく連絡がとれない。俺がメールした時は杏奈が居なくて、杏奈がメールした時は俺が居なくてっていう感じで。誰に悩み打ち明けてんだろ。 でもホントにヤバイ。
次の日
今日もだ。連絡がつかない。 どうなってくんだろうか。すごく不安だ。
それが約一ヶ月続いて夏休みも終わろうとしている。
覚悟を決めた。自分からコクったのにおかしいけど。
メールで
「返事はいつでもいいからさ。会えないか?」
って送った。
次の日の朝に携帯を開いた。 夜の2時頃にメールが返って来てた。
「今日の夕方の5時なら空いてるから駅で会おっ!」って。
5時。駅に行った。
杏奈がいた。第一声が
「ホントにごめん。ずっとずっと。」
「いや。俺、実はそれについて話したかったんだ。」
「何?」
「あの…さ、俺たち別れよう。」
「えっ?え…嘘だよね…嘘って言ってよぉ。」
「いや、俺は1ヶ月も連絡がとれないと互いに不快なきもちになるだけだと思う。」
杏奈が泣いてる。
俺だって別れたくない。
「お願いぃ…。う…嘘って言ってぇ。別れたくないのぉ…。」俺も泣きそうになった。途中で考えた。こんなに思ってくれてる人が居るのに別れていいのかって。たかが連絡がとれなかっただけじゃないかって。
でも俺は
「じゃあな。」と言ってその場を去った。
これでいいんだ。これで。
帰中ずっと涙がとまらなかった。家についても部屋に入ってから泣いてしまった。
夜の10時頃、メールがあった。渋谷からだ。
「明日また会えない?12時頃。いやなのは分かるけど…。」ってきた。
「良いよ。」
次の日
12時頃駅に着いた。
杏奈はもうすでに着いていた。杏奈が
「やっぱり一樹の居ない生活が考えられない。私はもう一樹じゃないと駄目なの。」
と言った。
俺は
「俺だって別れたくない。だから戻す事を考えた。」
「ならいいじゃん。戻そうよ。私は不快な気持ちになんかならないよ。」
「ちょっと明日まで考えさせてくれ。わりぃな。」
そういってその場を去った。
次の日
「同じ場所で会おう。」ってメールした。
駅に着いた。渋谷が少ししてから来た。
俺は
「あのな…俺から言い出したのに悪いな。もう一度付き合ってくれないか?」
渋谷は
「うんっ!」満面の笑みだった。見ていて気持ちいいくらいの。
一緒にその日は過ごした。
明日は学校だぁ。めんどくさいなぁ。
そう思いながら帰った。
次の日、学校に着いた。教室に杏奈の姿が無い。1時間目が終わって休み時間。来ない。
先生に聞いた。
「先生。渋谷どうしたんスカ?」
「渋谷なら…転校しちまったぞ。なんか親の単身赴任で福岡の方にいっちまったらしい。お前聞いてなかったのか?」う…嘘だろ…。俺はその日早退した。家に帰ってめっちゃ泣いた。
1ヶ月毎に杏奈が会いにきてくれる。俺から行ったこともあった。
中学卒業日。
俺は福岡の高校目指して死ぬほど勉強してきた。
なんとか入れた。
それから1年後に別れちまった。お互い思っててもすれ違いばかり。なら別れてしまったほうが一樹の負担にならないでしょ?っていう杏奈の考えで。
俺はいまはもう大学に行った。あの日々の事を忘れた事はない。
でも悲しいヤツだとおもわないでくださいよ。俺はこれで幸せだったんです。
今も杏奈が幸せに暮らしていることを祈るばかりで…。
最後のお別れの日は杏奈も俺も笑顔で別れました。
この前杏奈から手紙が届いて、婚約したらしいです。
幸せになってな。そう思いつつ登校する俺がいます。