月夜に
眠れない。私は布団の中で寝返りをうった。カーテンの隙間から月の光が差し込る。
時計の針は2時をまわろうとしていた。
ルナ。私どうしたらいいの?私は心の中で呟いた。
昼間、同期のセンが口にした言葉が忘れられない。センはとんでもないことをしようとしているんじゃないか。私の不安は消える様子もなく、むしろ時間がたつにつれだんだん大きくなっている。
センとルナ、そして私は同じ研究所に配属された同期だった。同じ年齢で同じような悩みを分かち合い、毎日夜中まで語り合った。私とルナは親友だったしルナとセンは将来を誓い合った中だった。
ずっと一緒にいられる気がしていた。ずっと一緒に研究し、ずっと幸せな時間を共有できると思っていた。
そうあの日までは。
私たちは万能薬の研究をしていた。新種の植物が発見され、その植物を使えば、ガンやエイズといった病気だけでなく難病といわれる病気も治せるといわれていた。私たちはその植物を研究室で培養していたのだ。
コウ!セン!ここにいたのか。教授が駆け寄ってきた瞬間を私は今でも鮮明に覚えている。
お前たちはすぐに部屋に戻れ!
そういわれた瞬間、嫌な予感がした。今日はルナが一人で研究室にいたはずだ。私が思わず研究室に向かおうとすると教授は強引に私の腕を引いた。
その日夜になってもルナは部屋に戻らなかった。
朝方センがしびれを切らして教授のもとへと訪ねていった。
今回初めて投稿します。物語を書くということも初めてです。ここまで読んでくださったみなさん本当にありがとうございます。少しずつ投稿したいと思います。よろしくお願いします。