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らぶ・ぱら☆  作者: 黒猫
7/50

第6話:ナンパに行こう。2

 「…続いてしまった。」


 学校と我が家の中間地点にある繁華街。


 俺は誠の卑劣な行為によって、ナンパをしに来てしまった…。


 (続編になるなよ…。)


 恨みがましく、誠を見遣る。


 「うむ。作者は我が味方ナリッ!」


 余程嬉しいのか、クネクネと怪しげな動きで、通りすがる女性達に視線を追わす。


 …気持ち悪いから、ヤメテ。子供が石を投げようとしてるじゃないか。


 仲間と思われたくない俺は、少し離れてソッポを向く。


 「お〜いっ!御子柴よっ!ギャルが大勢いるぞっ!!」


 …あの野郎。


 「より取り見取り。困ったなぁっ!半分ずつなっ!!」


 「やかましいわっ!!」


 何が半分ずつだ。せっかく他人のフリしようとしたのに!!


 …ほら。俺の周りから、女の子が消えたじゃないか。


 (暫くここには来れないな。)


 悲しくなりながら、遠くを見る。


 …泣いてなんかないもん。


 そっと、目を拭いつつ誠と共に歩きだす。


 「…で。どうすんだよ?俺ナンパなんかした事ないぞ?お前手本見せろよ。」


 「うむ。まかせろ!俺ほどになればナンパなど朝飯前のその前の夜食に戻るほどだ!」


 …そのまま母胎まで戻ってくれよ。


 訳のわからん言い方で自信たっぷりな誠に、とりあえず手本を見せてもらうことにする。


 「見てるがいい!我がナンパの極意をっ!!」


 そう叫び、10m程先のカー○ルおじさんの横に歩いて行く。


 「ふぬぁっっ!!」


 奇声を上げ、上着を破り捨てる。


 …おい。


 そのまま奴は微動だにせず、時が過ぎていく。


 …1分。…2分。…3分。


 ザ・ワールドかっ!?


 通行人の皆さんが固まり、まるで時間が止まったかのような錯覚を覚える。


 …いつの間にス○ンド

使いになりやがったんだ?。


 「お巡りさ〜んっ!!」


 取りあえず、動けない皆に変わって俺が通報する。


 善良な市民の義務だからな。


 「裏切り者ぉっ〜!?」


 そう叫びながら、半裸で駆け付けた警官と警察犬から逃げて行く奴の姿を見送る。


 (達者でな。)


 心の中で、せめてハンカチを振ってやる事にする友達思いの俺。


 「またお前かっ!?次は逃がさんぞっ!!」


 …またって。


 「…ふぅ。疲れた。」


 なんか10歳くらい老けた気がするぞ?


 (…帰るか。)


 馬鹿から解放された事だし、さっさと帰った方がいいだろ。


 周りからの視線もいたいし。


 通報した俺は被害者だぜ?


 気が滅入り、重い足を動かしながら、心の中で誠に呪詛を投げ掛けやる。


 (今日の日課の藁人形は怒り3割り増しだからな!)



 ーードドドドドッ!!



 (…ん?)


 前方から、地鳴りが聞こえて来るような。


 「み〜こ〜し〜ばぁ〜っ!!」


 「…ひぃぃっ!!」


 全身ボロボロの誠が、頭を警察犬に噛まれながら、こちらに向かって走ってくる。


 『八ッ墓村の祟りじゃ〜!!』

 的な形相に悲鳴を上げる俺に向かって…。


 こう叫びやがったのだ。



 「まぁだ、続くのだぁ〜〜!!!」


 

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