第42話:少女達の恋。その5
今は授業中−−なんだけど。どうも花音の様子がおかしい。一人でブツブツ言ったり顔を赤らめたり。
(一体なんなんだ?)
どうも気になる。別に花音が気になるとかじゃないんだぜ?ただ……そうっ心配なだけだっ。
てか、最近野郎どもの風あたりが、かなりキツイ。
単なるヒガミ、八つ当たりな事に気付いてるんかね?自分が振り向いてもらえないからって、俺にあたるのはおかしいだろ?ストーカーみたいな神経しやがってさ。
はぁ−−溜息出ちまう……んっ?なんか視線が−−
(うひゃああぁっっ!?)
危うく口から悲鳴が零れるところだった。…何故に睨むのですかっ!?花音さんっ!?
(恐い…恐いよーっ!)
あうう…。冷や汗が止まらん。なんか知らんが、かなりご立腹なご様子。
不条理だ。なんか俺の代名詞とかしているなぁ。
半泣きになりながら、花音から視線を外すと、次は月姫の声がきこえ、寒気が。
(…何考えてんねんっ!?)
ああっ!?ヨダレ垂らしてるぞっ。背筋がゾクゾクする。鳥肌が立ってるやんっ。
まさかと思うけど…やっぱ俺で変な妄想をっ!?こいつらは授業中でもおかまいなしかよ。
(うう。普通にしてたら可愛いのに)
そんな嘆きとともに、とりあえず休憩時間になったら、ダッシュで逃げる事にする。
(絶対被害くいそうだもん……)
俺はコイツらに惚れてる奴らに声を大にして言ってやりたい。
お前達皆、騙されてるぞっ。目を醒ませと。
無理だろうなぁ……。
むっ!?授業終了のチャイムだ。ではこれより作戦を決行する。
(これは逃亡ではないっ。戦略的撤退なのだよ軍曹っ!!)
心の中で非難する、軍曹に言い聞かせ俺は椅子から立ち上がり−−
ビッタァーーン!
はわっこけてしまったっ!!
(作戦失敗。速やかに投降する)
すでに俺に向けて近付いてきている敵兵を確認し諦める事にし、取り敢えず最後の悪あがきを。
「こ、国連に連絡をっ!」




