第35話:追跡者・二階堂誠。
「君達は完全に包囲されている。可及的速やかに投降しなさい」
拡声器から聞こえる誠の声。窓の外をみると、誠と警官隊が家を包囲していた。
「んなアホな」
「主犯者御子柴薫には、婦女暴行監禁及び銃刀法違反の罪で刑罰が降されるのだっ」
「ちょっと待てえぇーーっ!」
何だその罪状わっ!?てか主犯者てっ!?
「証拠は上がっているのだよ。月姫くん達を解放したまえ!」
「ここは我が家じゃあーーっ!!大体なんでお前が警官隊を引き連れてんだよっ!?」
「我輩の父は警視庁総監だ。これくらいの職権乱用は朝前なのだよ」
「日本の警察は終わりだあぁーーっ!!」
嫌な真実を見せ付けられ嘆く俺。それを見た月姫達が
「これからって時に邪魔して…潰してしまおうかしら?」
「もうとってもフラストレーション。薫くんやるよ?」
「ふふ。恐怖のデフレスパイラルを味わいなさい」
「馬鹿言うんじゃねえーーっ!!」
これ以上ヤバクするなよっ!!
「どうやら人質は洗脳されているようだな。しかたない抹殺命令を」
「何ほざくんじゃ誠っ!?」
「誠違うアル」
「だまれっ」
「大人しく死ぬヨロシ。日頃の恨みネ」
「それが理由かぁーーっ!!」
怪しい中国人みたいな話し方しやがってっ!
「ねえ?まだ殺しちゃダメ?」
オアズケをくらった様にソワソワしている月姫。
(やばい。ジェノサイドモードに入ってらっしゃるよっ)
見れば三人共に目が爛々と光り中毒者みたいな感じだ。
「御子柴よ我輩はカナシイゾ?欲望に溺れ萌えガールを監禁とは」
「ようはお前の憂さ晴らしじゃねぇかっ!」
「……気のせいだ。萌えにモテるのが決して羨ましいからではない」
なんで間があく?しかも白状してるやんけっ。
「ちなみに今テレビ中継されているから」
「なんだとーーっ!?」
よくみるとテレビ中継車がありやがるっ。
「やだっ!?全国デビュー!?お兄ちゃんとの結婚式を今すぐ全国ネットでっ」
「ファンがこれ以上増えたら織姫こまるわ。あっでも薫くん命だから」
「全国の青少年が私を欲望の眼差しでっ!いけませんっ私にはご主人様がっ!」
「少しは危機を感じてくれぇーーっ!!」
ぜいぜい。あかん息ぎれが。
「全国の皆さーんっ!こいつは近親相姦魔ですよーっ!!」
「ぎぁやぁーーっ!!何て事言うんだぁーー!?」
「兄・弟と言う立場を利用して夜な夜なネコミミ・ウサミミを付けての悪行三昧なのですよー」
「きゃーーっやめてーーっ!!」
終わった…。人生が。周りの人達が
「えっマジ!?」
「最低ー」とか言ってるのが聞こえるよ。
「観念するアル。嘘をついても、こちらにはまだ奥の手もあるアルよ」
これ以上なにがあるんだよ?疲れ果てた俺が誠を見ると、二人の少女が立ち並んでいた。何故か俺そっくりの等身大フィギュアを抱いて。
「「大人しく投降してっ!!私たちの為にっ」」
えーと。二階堂誠の名前がぷろろ〜ぐで二ノ宮になっているとのご指摘がありました。すいませんm(._.)m気にしたら負けです(笑)