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らぶ・ぱら☆  作者: 黒猫
35/50

第34話:共犯者・御子柴薫。

 「勇者様っ!お逢いしとうございましたっ!」


 そう言うと目の前に立つお姉さん。ガラス窓を割って入ったせいか、頭からドクドク血が流れている。


 「……窓弁償、土足厳禁」


 「そんなっ。やっと会えたのに冷たいお言葉」


 取りあえず怪我の事は無視して言う俺に、ヨヨヨと泣きまねをしやがります。


 「貴方が二階堂くんのお姉さん?」


 「全然似てないね?」


 そう感想を漏らす我が妹達。てか、ツッコム所はそこではないぞ?不法侵入者だぞ?

 内心でささやかなツッコミを入れていると、お姉さんはいきなり爆弾投下な言葉を吐きやがりました。


 「貴女達が、勇者様に近付く牝豚どもね?」


 「ななな何て事をっ!?」


 馬鹿かコイツわっ!?…いや確認するまでもなく馬鹿だったんだ。


 「なんですって?」


 「年増が何か言ってるね?」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴッ。


 キャーっ!?家が揺れてるっ!?マグニチュード8だぁっ!。


 「サカリのついた牝豚と言ったのです。ぺっ」


 唾をはくまねをしながらお姉さんは言う。もう死んだな…多分俺が。今までのオチからして最後は俺にくるし。


 「ババァ…」


 「棺桶に更に近づきたいの?」


 「発情気の牝は大人しくそこらの犬と戯れてなさいな?」


 睨み合い罵り合う彼女達。それと同時にドーンと床が抜ける音がした。


 (家が潰れる…家なき子になってしまう)


 あまりの恐怖にどうでも良い事を思ってしまう俺。 しかし、ここは長男として何とかしなければならん。


 「おおお落ち着け」


 …俺が落ち着かなあかんやん。


 「ちょっとお姉さんっ」


 「犬と呼んでください。ご主人様」


 「……………」


 「豚でも可ですっ!」


 ビッと親指をたてナイススマイル。いやなんかもう…死にたいなぁ。


 「…じゃあ静香さん」


 「…ちっ」


 なんだよ、ちって。


 「呼び捨てで構いません。薫様」


 「あーもうどうでもいいや。なんでここにいる?」


 チラッと妹達を見ながら聞く。おー顔が阿修羅だ。


 「正妻の座をつかむためです」


 「帰ってください」


 「そんなご無体なっ!?」


 そんな泣きまねしても無理です。今まで散々騙されてきたからな。


 「振られたんだから帰りなさいよ」


 「年寄りはピップエレキバンとでも戯れてたら?」


 あおるなよ…。静香さんが暴走するだろーが。


 「ふっ。可哀相に薫様。この牝豚達に脅されてますのね?」


 「ある意味そうだな」


 「「なんですってぇっ!?」」


 ひいぁっ!?しまったぁっ!?つい本音がポロリとっ!!


 焦るその時、ヒュンッと何かが俺の頬をかすめ、さわると血が。


 「なんじゃコリャーっ!?」


 思わず往年の名台詞を叫ぶ俺。見やると月姫が拳をこちらに向けたままのポーズ。拳からは摩擦熱からでた煙が。


 (マッハパンチだっ!?)


 あまりの速さに拳から衝撃波を出しやがったっ!!


 「その年増と共に、お兄ちゃんにも教育が必要みたいね?」


 「教育って言うか躾?むしろ調教かな薫くん?」


 「すんませんでしたぁーーっ!!」


 叫びと共に土下座。頭を床に何度も打ち付け誤り倒す俺。今なら世界土下座選手権一位になれるぞっ。


 「薫様…。大丈夫です。私がこの小娘達を成敗致しますから」


 「お願いですから喧嘩売らないでください」


 涙を流しながらお願いする俺。…プライドのかけらもありません。


 「「望む所よっ!!」」


 あーダメだぁーっ!今日こそマジで死んだぁーっ!!


 先立つ不幸を絶望感いっぱいの俺は、もはやこれまでと離れて暮らす両親に、心の中で詫びていると、やはりと言うかなんと言うか…。奴の声が聞こえて来た。まさにお約束。



 「あーテステスッ。犯人につぐ。君達は完全に包囲されている」

お姉さん最高!まさかここまで使いやすいとわっ。二階堂姉弟は使いやすくて助かります。

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