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らぶ・ぱら☆  作者: 黒猫
33/50

第32話:伝説の勇者様。その4

 「今なんと?」


 誠が歌った内容に耳を疑う俺。


 「姉だと言ったのだ」


 「結局貴様がらみかぁーーっ!!」


 「叫ぶな。ご近所に迷惑がかかるだろう」


 「お前の存在が多大な迷惑をかけてんねんっ!!」


 何なんだよもうっ。この馬鹿の姉かよっ。…なんか納得してしまうなぁ。


 「勇者様っ!今すぐこの魔王をってきぁあっ!?」


 お姉さんの呼び掛けを遮るかの様に体に縄がしばりつく。


 「絶技。薫恥ずかし固め改」


 「変なネーミングつけんな!ぼけーっ!」


 「薫ちゃん捕縛用に編み出した48手の一つなの」


 「花音に教えてただろっ!?」


 そのせいで以前貞操危機に見舞われたんだぞ!?


 愚痴りながらお姉さんを見遣ると、そりゃーもう文章じゃ表現できんエロエロな…。俺にあれをしようとしたのか?


 「ああ。なんか擦れます☆」


 「ナニモイウジャネー」



 ご近所の皆様方からの白い目線が痛いっすよ?


 「…ようはお前達の兄弟喧嘩に巻き込まれたんだな?」


 うっすらと殺意が芽生えちゃうぞ?コラ。


 「この女が迷惑かけたな。」


 「お前もな。大体何で俺を知ってる?」


 俺はお姉さんを知らなかったのに。




 「うむ。それは貴様の隠し撮り写真をコヤツに見せていたからだ」


 「………今なんと?」


 「貴様の恥部を見せていたのだよ」


 「死にさらせぇーーっ!!」


 渾身の一撃を見舞う。おーきりきり舞いだ。


 「痛いじゃないか。」


 知るかボケ。


 「薫ちゃんの隠し撮り写真見せてたの?どんな?」


 「トイレシーン・脱衣シーン・一人遊びシーンだ」


 「あー欲しい!」


 「では、一枚2000円で」


 「馬鹿言うんじゃねーーっ!!」


 頼むから勘弁してくださいっ!一体俺が何をしたっ!?


 「勇者様のその悶える姿…素敵です」


 「黙れ変態!」


 「言葉責めっ!?ならもっと過激に…」


 「なんでやねんっ!!」


 駄目だ…。二階堂姉オソルベシ。


 「で。喧嘩の原因は?」


 「はい…。私が精魂込めて制作した勇者様の1/1フィギアを花音さんとやらに売ったと言うので。薫様萌の敵!魔王ですっ!」


 「あれを作ったんは貴様かぁーーっ!!」


 めちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたんだぞっ!!なんて奴だっ。大体薫萌って。やはり誠と同じ思考を。


 「せっかく、前世みたいにご主人様プレイをしようとしたのに…。次は私が女王様で。萌萌です」


 「もう何も言うなぁーーっ!!」


 涙が出ちゃう。



 「薫ちゃんの等身大フィギアっ!?花音ちゃんから強奪しなきゃっ!!」


 「おい」


 「じゃね?薫ちゃん!」


 キーンとアラレちゃんばりのスピードで走り去る乙姫。……死にたくなりますな。


 「…俺も帰る。てか帰らしてください」


 「ご主人様っ!?次は無期限放置プレイっ!?」


 ナニモキコエマセン。キキタクナイ。


 胃に穴が開きそうなので、馬鹿姉弟を置き去りに足早に立ち去ろうとしたその時、俺に凄まじい衝撃が襲って来た。


 「ぐっ……!?誠!?」


 薄れ行く意識の中で、誠がなにか歌っているのが聞こえた。すげームカつく内容の。いつか殺してやる!



 「意味はないけれどっムシャクシャしたからぁ〜御子柴の頭を殴ってみた♪カッキーンっ!」

二階堂姉の名前はとくに考えてません。てか誠に姉がいたのかぁ…。知らなかった(笑)

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