第28話:人は変わるものです。
「呪いか?…これは?」
花音の部屋に足を踏み入れた途端俺は死にたくなった。
「何が?」
可愛いらしく首を傾げる我が幼なじみ。そんな彼女の部屋には…一面俺の写真だらけだった。
「えへへ♪薫に囲まれて幸せ☆」
横を向いても上を見ても下を見ても、俺・俺・俺。…恐いっ恐すぎるっ!こいつこんなキャラだったのか!?
「気に入った?」
そんな上目使いで言っても引いてしまいます。目眩がする。
「とりあえずベットにでも座って?」
「あ…ああ」
正直部屋から逃げたいのだが、衝撃のあまり頭がフラフラする為ベットに腰掛けるか。
「…………っ!?」
なんだコレわっ。枕カバーからシーツから俺の顔がプリントされている。
「かか花音さん?」
「エヘッ♪」
「エヘッ♪じゃねぇーーーっ!!」
ヤバすぎるだろっ!?目を醒ませ!昔の君は何処へ行ったんだっ!?
「こんなのもあるんだ♪」
「おい」
奴が見せたのは1/1スケールの俺モデルな抱き枕。…めちゃくちゃリアルだ。
「凄いでしょ?衣服着脱可能なんだよっ?」
いきなり脱がし始める花音。…なんか襲われてる気分だ。
「ってオイっ!?」
リアルな為脱がした後はリアルな俺の…キャー!?
「隠し撮り写真から割り出したから、大きさはバッチリよっ」
「訴えるぞコノヤローーっ!!」
汚れてしまった。お婿さんに行けないよー。
「何なんだよっ!チクショー!大体なんかソレ汚れてるしっ」
「あっコレ私が付けた染み」
「キャーキャーキャーっ!!」
聞きたくないっ聞きたくないぞぉっ!
「皆キャラ濃いから、私も見習ってみたの」
「見習わんで良いわっボケェーーっ!!」
「眠れぬ夜は、この抱き枕で…げふんげふん」
「花音帰ってこーいっ!!」
「…でもいい加減本物の温もりが欲しいの」
「はいぃっ!?」
「抱いて」
「さようなら」
踵を返し逃げようとする俺。しかし逃げれるはずもなく…。あっさり捕縛。
「はーなーせーっ」
「乙姫さん直伝、秘技・薫極楽締めよっ☆」
「乙姫ーーっ!!」
「さぁ薫。抱き枕じゃ味わえない快楽地獄へ」
「キャーっ!!キャラ変わり過ぎだろーーっ!!」
舌なめずりしながら近寄る花音。今は亡き昔の花音に思いを馳せつつ、とりあえず泣きながら絶叫した。
「思い出を返しやがれっわーーんっ!!」
花音壊し(笑)もうどっちかとゆーと月姫ですなコレわ。まぁ壊れキャラだからこその、らぶ・ぱら☆ですが。皆シリアスバージョンとはキャラ違い過ぎるなぁ(^-^;




