第23話:真・のどかな日曜日の昼下がりに。
「ふっ…。こんな事だろうと思ったぜ」
織姫が差し出したクッキーを口にした俺はそう言うと意識を失った。
「……。……くん」
誰かの呼び声で目を覚ます。そこは…。
「地獄だったとさ」
「何ブツブツ言ってるの薫くん?」
「目の前の風景に対して言ってるんだよ」
怪しげな音楽が流れ、全体的にピンク調な部屋。真新しいベットに拘束されている俺。目の前には何故か下着姿の織姫。地獄だ…。
「どちらかと言うと、今から天国に行くんだけど?」
「やかましいわぁっ!!」
何を考えとるんだっ。このバカチンはっ!
「今日は邪魔者がいないから…ね?」
「…ね?じゃねーっ!」
「さぁ、めくるめく快楽の世界に旅立ちましょう」
「ドコニモイキタクアリマセン」
ああ。恐怖のあまり口調が。
「ちなみに、片道切符でかえって来れないから♪」
「いやぁーっオカーサーンっ!!」
「男が言う台詞じゃないよ?」
笑いながらベットに近づく織姫。目が笑ってねえ。これは肉食獣の捕食時の目だ。
「だーっ。ストップ!ハウスハウスッ!!」
「獣みたいに…あっでも今は獣か?せいじゅ…」
「きやぁーーっ!!」
…危ねぇ。何とか最後までは言わさなかったぞ。
「もうっ。雰囲気台なしじゃん」
「元からないわっ!」
何をほざくんだ、この娘はっ。
「観念しなさい。この状況で逃げられるとでも?」
「まま待てっ!血迷うなっ!話しあおうっ!」
必死な俺の説得が届いたのか織姫は顔を伏せ話しだした。
「ごめんね…。でも織姫焦ってるの。花音ちゃん来てから薫くんにベッタリだし、乙姫ちゃんや月姫ちゃん達だって…」
「…織姫」
「だからって…こんな事いけないよね?やっぱり」
「………。」
今だ俯き僅かに肩を震わせている織姫。後悔しているのかその声には涙が混じっているように聞こえる。しかし…
「では何故服を脱がすのですか?」
「…あ」
「…あ。じゃねーっ!」
いかん。コイツの頭はもはや桃色パラダイス。
「もう手遅れよ」
「何がだ?」
「薫くんに媚薬をのませてるから」
…は?
「誠くんがくれたの。人体実験に使ってくれたまえって」
「あんのボケェーーッ!!」
またアイツかっ。何だよ人体実験って!
「待てっ!俺達は兄妹だっ!」
「ふっ。所詮は男と女」
「お前はまだ、子供だろっ」
「薫くんと二歳しか違わないよ?」
ダメだーっ!どこで育て方間違えたんだっ?
「おおお落ちてけっ!」
「くす。薫くんは落ち着いてないみたいだけど?」
キャー。一点を見つめないでっ!媚薬の馬鹿野郎っ。
「さぁ、レッツゴー♪」
「何処にだぁーっ!?」
平穏とは程遠い日曜日の昼下がり、前にもこんなのあったなぁと思いつつ、俺は叫ぶのであった。
「助けてーっ!ドラえ○ーん!!」
またまた真(笑)ボケボケな文は楽ですな。




