第22話:萌救世主伝説!萌は地球を救う。
「萌ッ萌ッ萌もへもへっ!」
「やかましいわっ!変態っ!!」
いきなり何を叫びやがる。ビックリするだろ。しかもなんか最後は萌じゃなかったし。
「何騒いでるの薫ちゃん?」
ん?と声がした方を見ると珍しく乙姫が来ていた。 誠は乙姫を見て騒いでたのか?しかし、
「何故に眼鏡?」
乙姫が眼鏡をかけていた。中々似合っている。
「貴様ッ御子柴ぁッ!」
萌発作から立ち直ったのか誠が俺を呼ぶ。
「何だよ?まだ何かあんの?」
すると乙姫をビシィィと指差し
「やはりこんな危険なプレイをっ!!」
「意味わからんわっ!」
…萌発作はまだ治ってなかったか。現代医学では完治不可能かもな。
「これは伝説の眼鏡っ娘ではないかぁっ!!」
「そんな伝説はないわぁっ!!」
「ロリータフェイスの巨乳の義姉に眼鏡をかけさせるとはっ!」
「少しは話しを聞けよっ!」
「これでチビッ子織姫くんに一人称をボクにさせれば立派なボクッ娘っ!禁断のコラボの出来上がりだぁーっ!」
「もう色んな意味で死ねぇーーっ!!」
「萌は地球を救うのだっ!」
…あかん。頭が割れそうだ。恐るべし萌ウィルス。
「…馬鹿はほっといて。乙姫なんか用でもあったのか?後、眼鏡は?」
「用と言うか、花音ちゃんが薫ちゃんに変な事してないか見に来たの」
その言葉にピクッと花音の眉が動く。
「眼鏡は飾りだよ。たまには良いかなって」
「たまにではなく毎日頼みたい。萌隊長として」
ガンッ!とりあえず殴ってみた。
「…痛いじゃないか」
「お前の頭が激しく痛いわっ!」
「むう」
「乙姫さん、わざわざ来て頂く事もなかったのに…」
むぎゅっ。
…何故に抱き着く花音。乙姫が般若の顔になっているじゃないか。
「花音さん?…乙姫さんを挑発するような事は…」
「可哀相に薫ちゃん。抱き着かれるなら私の胸の方が良いでしょうに」
そう言うと自身の胸を強調するかのように、両腕で押し上げる。
「くすっ。無駄に脂肪がある人に抱き着かれたら暑苦しくなると思いますけど」
「あら、誰の事かしらぁ?」
「さぁ?」
「「うふふふっ」」
(ひいぃっ)
恐いっ。恐すぎるぅっ。二人が発する魔闘気で死んでしまいそうだっ。
「どちらが真の萌リストかの勝負だな。勝った方が御子柴を好きに出来る」
「何を言い出すんだ貴様ぁーーッ!」
俺の叫びがコダマする。萌リストってなんかデュエリストみたく言いやがって!
すると俺の叫びに反応するかの様にガシッ!と二人がいきなりお互いの腕を掴みとった。
「あら花音ちゃん。この手はなぁに?」
「乙姫さんこそ?私につかまらなければならない程お年なのですか?」
(戦場だ…。もうじきここは戦場になるっ)
「ふははっ。闘うが良いっ!更なる萌の高みを目指してっ!今はまさに世紀末っ!萌救世主伝説を造りあげるのだぁっ!!」
「これ以上あおるなぁーっ!!後、すでに新世紀入ってるわぁっ」
しかし俺の親切なツッコミも虚しく。全ては手遅れだった…。破壊されていく教室。巻き込まれる生徒。俺はそれを恐怖のあまり掃除用具入れの中に避難し涙を流しながら見ていた。当然の如く、巻き込まれ窓から落ちていく誠の叫びを聞きながら。
「我が萌に一片の悔い無しっ!!」
えーと。馬鹿です(笑)とりあえず花音も壊れキャラにして行こうと試みてみたんですが。これが限界ですな。




