第15話:お約束ですっ!!
「…これはいったい。」
冷や汗を流しながら呟く俺。
今は朝だ。
久々に地力で起きる事が出来た俺は自分を褒めていると、隣で怪しく膨らむ物体を発見。
シーツをめくるとそこには。
乙姫がいた。
……。
………。
…………。
……………。
…はっ!いかんっ!意識がアンドロメダ星雲と地球を往復してしまった。
改めて横を見る。
可愛いい寝顔だ。心が和む。しかし…。
「…なぜに下着姿?」
童顔な顔立ちとは対象的なナイス・バディ。
…いかん。目に毒だっ。
朝の生理現象が勘違いをしてしまう。
「とにかく何とかしなければ…。」
時計を見ると起きてからすでに30分が経過している。
(宇宙の旅をしたせいで時間をくったな。)
早くしなければ、悪魔達が来てしまう。
とりあえず、揺すって起こそうとした時、寝ぼけているのか乙姫が抱き着いてくる。
「はうわっ!?」
いかんっ!いかんぞぉっ!この密着はっ!しかも素肌でっ!!
(こんな所を見られたらっ!!)
男の悲しい性に見舞われながらも、何とか腕から脱出に成功。しかし…。
「お兄ちゃんっおはよー。」
月姫が扉を開けたのだった。
「…………。」
「…………。」
重すぎる沈黙。北極熊も凍死しそうな程の冷気を感じる中必死で言い訳を考えてみる俺。
すると、そこに織姫が現れ、こう宣いやがりました。
「お約束ですっ!!」
(…お約束はお約束のシーンにおきるからお約束なんだよな。)
織姫の台詞に、軽い悟りを啓いた気になってしまう。
「…何をしているのかしら?」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!
(ひいぃぃっ!!)
いかんっ。奴から闘気が溢れているっ。
「ままま待てっ!事故だっ!勘違いだっ!!」
「へぇ…。そんな恰好で?」
改めて自分を見ると、半裸の乙姫に覆いかぶさり、俺は乱れた寝巻姿。
そして、乙姫は手でグーを作り口元に当て潤んだ瞳で俺を見つめている。まるで子猫みたいだ。
「…おい。始めから起きていたな?」
「薫ちゃん…。お姉ちゃんに欲情するなんて。」
「…こらっ。」
「でも可愛い弟を慰めるのも姉の勤め。…優しくしてね☆」
「何をだぁーーっ!!」
朝っぱらからきつすぎるぞっ。
「あん。怒っちゃイヤ。…縄いる?」
「いらんわぁーーっ!!」
毎度の事ながら、誰も俺の話しは聞きやしない。
どう切り抜けるか、必死に考えを巡らせていると、月姫が俺に近付き言ってくる。
「そんなに溜まっているのなら、一言言ってくれれば…。」
「言って何になるんだよっ!」
「何って。…ナニ?」
「あほかぁーーっ!!」
「とにかく、覚悟は出来ているわね?」
「薫くん。歯をくいしばってね♪」
指をポキポキ鳴らしながら近付く鬼妹達に、腰が抜けてしまいながらも叫ぶ。
「たぁすけてくれぇーっ!」
30分後。病院に担ぎ込まれた俺は医者に呆れられながら、こう言われてしまったのでした。
「君よくくるね?プレイも程々にね?」
毎度の事ながら、ネタを考えずに作るのは厳しいっす。きちんとしなければ…。