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らぶ・ぱら☆  作者: 黒猫
15/50

第14話:アイドルになろう!

 「アイドルにならないか?」


 ………はぁっ!?


 貴重な休日に俺を呼び出した誠は開口一番にそう言った。


 「毎度の事ながら意味がわからん。」


 「だからアイドルにならないかと聞いているっ。」


 だから、何でそうなるんだよ。コイツの言う事はホントにわからん。


 「アイドルはモテる。=彼女がワンサカできるっ。」


 「あほか…。」


 まだ、彼女作りを諦めてなかったのか。


 「我らのルックスがあれば、売れっ子間違いなしっ!!女子からは常に熱い声援を受ける毎日だぞっ。」


 (黙っていれば、日常生活でも人気はあったさ。入学当初はモテてたしな…。)


 今は亡き、過去の栄光に思いを馳せる。


 「なんか最後は、熱い声援を受けるんじゃなくて、痛い罵声を受けそうだけどな。」


 恐らくそうなるであろう未来のビジョンを述べてやるのだが、まったく聞き耳を持たない馬鹿。


 「そんな悲観した未来を見つめて楽しいのかっ!?もっと現実を見ろっ!!」


 「お前が見ろよっ!」


 おれはお前にツッコミをする為に呼ばれたのか?


 「とにかく今からオーディションに行くのだっ!」


 「ええっ!?うそっ!?」


 そう叫ぶ俺を引きずって誠は歩み始めた。


……


………


……………


 …来てしまった。


 途中何故か目隠しをして連れてこられた俺。


 (スター・○ォーズのテーマソングが聞こえたのは何故だろう?)


 


 なつかしの、某拉致られ系電波番組の若手芸人の心境がわかった気がするなか、辺りを見渡してみる。


 (マジにオーディションじゃねーかよっ!)


 舞台の上に俺と誠との他に何人かたっている。

 胸には番号のついたワッペン。

 目の前には、審査委員らしき人達。


 (いつの間に、こうなったんだ?)


 俺の疑問を余所に、事は進行されていく。


 (…全員まとめて審査するのかよ。)


 手抜きに思われる様なオーディションにも誠のテンションは変わらない。


 「見よっ。御子柴よ。我らに明るい未来を与えてくれる神様達だっ。」


 「やかましいっ。人を拉致しやがって!少しは、まともな思考を持てよっ。」


 「何をうっ!?」


 俺達の漫才(?)を無視し、オーディションは進んでいく。


 (ん?あの子は、霧島あずさじゃないか。)


 審査委員ブースに座る女の子に目を惹かれる。


 今を時めく人気アイドル。

 透き通る様に白い肌に綺麗な顔立ち。緩やかなウェーブがかかった長い髪から覗く瞳は少し潤んでいる。。


 …メチャクチャ可愛い。


 彼女の人気は今や社会現象になるほどだ。


 (何でいるんだろ?…まぁ彼女を生で見れただけでもラッキーだな。)


 少しだけ誠に感謝していると、俺の自己紹介の番が来た。


 (何を言えば良いんだろ?)


 心の準備が出来てない俺の代わりに誠が口を開く。


 「こいつの名前は、御子柴薫、17歳。3人いる姉妹に手を出す極悪人だ。」


 「…おい。」


 いきなり何を言いやがる。


 「…そうなんですか?」


 ああっ!人気アイドルあずさちゃんが引いてるではないかっ。


 「うむ。ついたあだ名は、姉妹殺し。夜な夜な兄・弟と言う立場を利用し悪事に励む鬼畜な奴なのだっ!」


 「やかましいわぁーーっ!!」


 「ホントの事であろうが?この間乙姫くんとSMプレイをしていた。」


 「あれは、無理矢理拘束されてたんだよっ!!」


 「月姫くんとの生々しい隠し撮りが…。」


 「お前達の騙し撮りだろーがっ!」


 「織姫くんが、お腹を押さえて“出来ちゃった”と…」


 「出来るかぁぁーーっ!!」


 ハァハァ…。オーディションの場でなんと言う事をっ。


 「…す、凄いんですね。」


 何故か尊敬の眼差しを向けてくる美少女アイドル。


 「うむ。オーディションに受かった暁には、ブラウン管の中で、兄妹役を君とし、その鬼畜ぶりが全国に放送されてファンに、袋だたきにあうだろう。」


 「そんなんあかんやろがぁーーっ!!」


 オーディション合格する気ないだろ?俺をイジメて楽しんでるだけだよな。


 俺が心の中で誠を10回くらい殺していると、あずさちゃんが口を開いた。


 「…そうゆうのも楽しいかも。」


 「なんでやねんっ!」


 「ん…。新しい刺激?」


 「いらんわっボケェーーッ!!!」


 何を言い出すんだ?このアイドルはっ。誠の親戚かっ!


 「大体刺激を受けるのは俺だろうがっ!男どもからの痛い刺激をなっ!」


 「あははっ上手〜。」


 「ウケるなぁーっ!」


 「うむ。これで合格間違いなしだ。感謝しろよ?」


 「するかぁーーっ!!」


 もはや何のオーディションかわからない雰囲気の中、何故か誠とあずさちゃんは意気統合し、俺をイジメていく。


 血が出そうな程叫ぶ俺にあずさちゃんは言うのであった。


 「優しくしてね?お兄様っ☆」

オチ弱し。単発の中では一番行数が多いかと。2話分くらいあるし。

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