プロローグ
ヒトやモノ、世界までもがガラスでできている。
***年前までは触れたら感じられた温かさや柔らかさは消え失せ、いつからかどれも冷たさと硬い石そのものを感じさせるようになってしまった。
生まれてから死ぬまで、生涯をガラスのような世界で過ごす。
キラキラと透き通ったステンドグラスの様な、空気を含んだようなガラス、不 透明ガラスまで様々で、個性が出ていてきらめいているようにも思える。
その中で極稀に***年前にいた温かみのある肌を持つ人が生まれることがある。
その肌を持った人はこの世界の視え方が少し違っていると伝えられきた。
実際にこの世界になってからというもの、そんな人物が現れたという話は聞いたことがないと言われている。
そんなある年のこと、***年前以来となる肌を持つ人が生まれた。
異例のことだと騒ぎ、生かすか隠すか、はたまた殺してしまおうかと皆頭を抱えた。
育て方や、与えるもの、環境がこの人の子にどう作用するのか…。
それと同時に何かその人の子にしか視えていない、何かがあることに気がつく。
そして、この人の子が世界の在り方と世界を大きく変える鍵となる。