表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
90/421

22.新しい武器

 20名を超える商隊が、ライバ領からアウドの町へと向かっていた。

「むっ。」

先頭を歩いていたCランクの冒険者パーティーが立ち止まる。

「どうしました。」

直ぐ後ろの馬車に乗っていた商人が、不安そうに聞いた。

「何かが高速で向かってくる。気を付けろ!」

全員戦闘態勢を整え、前方を警戒している。

ズドドドドド

目をこらすと、前方から凄まじい音と振動とともに赤毛の大男が、立派な装備を身に着けた一団と走ってくる。

「すんませーーーん。横通りますーーー。」

赤毛の男が絶叫に近い大声を張り上げたため、対峙しようとしていた冒険者たちは、思わず道の端っこに避けた。

 老人から子供までいる100名を超える集団が、横を高速で通り過ぎていく。

「すいませーーーん。お騒がせしましたーーー。」

最後尾を走る黒髪の男が、叫びながら通り過ぎていく。

「何だ、あれ。」

警戒していたCランクの冒険者が驚く。

「婆さんも高速で走ってなかったか。」

「あれが噂のババアか。」

「どんな噂だ。」

他の冒険者たちも興奮気味に話している。

これが後に伝説となった『ターボババア』の誕生であった。

すれ違う旅人たちに驚かれながら、レイたちは軽快に北へと向かっていく。

途中でそこそこの広さの空き地に到着し、日が落ちるまで時間はあるが、野営の準備を始めた。

野営といってもレイが土魔法で風呂・トイレ完備の建物を作るため、とても快適だ。

以前はセイクルズと交代でしていた夜の警戒も、奴隷たちが出来るようになったため、レイとトムは夜ぐっすりと眠れる。

建物を作った後、暇を持て余していたレイはスミスに話しかけた。スミスは装備のメンテナンスをしているようだ。

「なあ。スミス。」

「何だ。」

「新しい武器を作ってほしい。」

レイの言葉にスミスは思わず手を止めた。

「新しい武器。」

「剣とかじゃない。新しい種類の武器だ。」

「どんなんだ。」

「弓みたいなものだが。弓と違ってスキルに頼らないやつだ。」

レイが紙に書いていく。

「…なるほど。矢を台に固定させて引き絞って撃つのか。」

「矢を引き絞る奴と台に固定する奴、2人必要だがいいんじゃないかと思って。」

「作ってみるか。前世にあったのか。」

「そうだな。籠城戦なんかに役立つと思う。」

2人はレイが描いた紙をのぞき込んで、さらに話し合った。

 少し離れた場所でタックとフクンは、トムからおやつをコッソリ貰っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ