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復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
78/421

10.トラウマ

 レイとセインは洞窟の中に戻り、生き残った盗賊たちを縛っていく。

外で死んだ見張り2人と逆さ吊りにされた3人を入れて、盗賊は30人いた。12人を切り殺し、生き残った18人を縛り上げていく。

盗賊たちを縛り上げた後、レイたち一行は洞窟内の奥に進んでいく。奥には檻があり、その中には若い女が20人ほど裸同然の姿で座っていた。怯えた表情と血だらけの体を見て、何をされたのか一目で分かったレイが奇声を上げた。

 何事かと一瞬戸惑ったセイクルズのメンバーの前で、横たわっていた盗賊の首をレイが切り落とす。レイは身を翻し、別の盗賊の胸に剣を突き刺した。

 素早く動いたのはトムだった。レイの腰に縋り付き叫んだ。

「レイさん!ダメです!衛兵に。引き渡します。」

腰に縋り付いたトムを引きずりながら、レイは別の盗賊に襲い掛かろうとする。

「ダメです。あなたは!罪を。犯しちゃ。ダメだ!やることが。ありますよね!」

一語一語叫ぶようにレイを説得する。

レイを止めようと、セインとクルンが加勢する。

「レイ!落ち着け。奴ら絶対に死罪になる。お前が今ここでやることじゃない。」

セインが羽交い絞めにし、レイの動きがようやく止まった。

 トムがレイを外に連れ出し、残ったセイクルズのメンバーが女たちを檻から出す。

全員弱っており、立つのがやっとだった。

「奥に…。彼が…。助けて。」

1人の女がクルンに言い、気を失った。

さらに奥に誰かいるようだ。

クルンとキミイが女たちを外に連れ出し、セインとジョナが檻に隠れていた扉を開いて中に入る。ムッとする異臭に吐き気がしながら中に入ると、1人の小柄な男が縛られていた。

暴行を受けたのか全身切り傷とあざだらけで、口の周りには吐いたであろう血がこびりついている。

ジョナが縛っていた縄を切り、男を抱えて外に飛び出した。

 洞窟の外ではタックとフクンから連続ネコパンチをくらって冷静さを取り戻したレイが、リザードホーズと女たちに回復魔法をかけていた。

「レイこっちも。頼む。」

ジョナが男をレイに託す。

レイは戸惑っていたが、男にも回復魔法をかけた。男は意識を取り戻し、ジャミと名乗った。

セイクルズのメンバーが縛り上げた盗賊たちを洞窟内から引きずり出し、死体を回収する。

「おら。とっとと歩け。ちょっとでも反抗してみろ。さっきみたいに首はねるぞ。」

ジョナがドスの利いた声で盗賊たちを脅す。

先ほどのレイの残虐性を目の当たりにした盗賊たちは、大人しく連行されるようだ。

盗賊と保護した女たちを引き連れてスミスとマールが待つ建物へと戻る。

既に夕暮れ前、一行は一晩を過ごした後、翌朝に盗賊を引き渡すため町へと向かった。

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