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復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
74/421

6.鍛冶スキル

 ミスリルを無事掘り出したレイたちは、昼休憩を取っていたセイクルズの所に戻り、再び歩き出した。

ゆっくりとではあったが東に進んでいき、夕暮れ前に町にたどり着く。

何事もなく着きほっとした一行だったが、新たな問題が発生した。

100人ほどの奴隷たちが町に入れないのだ。

「何故ですか。」

レイが門番をしていた衛兵に聞いた。

「そりゃそうでしょ。100人もいたら。大体どこで寝るの?暴動起きたらどうすんの。」

「まっそうか。」

あっさり引き下がったレイにトムはズッコケる。

レイは町の外に奴隷たちと残ることになり、トムとマールとポッタ、そしてセイクルズのメンバーが中の宿屋で一夜を明かすことになった。

「自分でいいんですか。」

トムがレイにおずおずと尋ねる。

「マールさんと一緒にこれを金に換えてくれ。あと、買ってきてもらいたいものあるし。情報も仕入れたいし。」

レイは途中で採集した金目の薬草や鉱物をトムに渡した。

「任せな。買い叩こうとする奴にゃ蹴り食らわせるからさ。」

マールが胸を張る。

「あと3人の情報も。」

レイがトムに小声で伝え、トムは頷いた。

小さな町に潜伏している可能性は低いが、念には念を入れる。

それだけレイは必死だった。

「俺らはギルドで盗賊の情報とか依頼見てみるよ。」

セインも盗賊の情報を仕入れるという。

レイはトムたちと別れ、街道横の空き地に土魔法で建物を作った。

衛兵が驚き「こりゃ凄いな。」と門の脇で騒いでいる。

レイはスミスの希望に応じて簡易的な鍛冶場も作った。

「おっいいね。早速取り掛かるか。」

スミスは腰に付けていたカバンから鍛冶道具一式を取り出した。

スミスの鍛冶道具は大きな物だけは魔法袋の中に入れているが、大事な道具は全て身に着けていた。

絶対に壊してはいけないものだという。

スミスはミスリルを慣れた手つきで砕いていく。これから火を入れてスミス専用の武器にしていく予定だ。

レイはスミスの鍛冶仕事を興味深そうに観察していた。

 唐突に前から疑問に思っていたことをスミスにぶつけた。

「なあ。ドラゴンの皮とかミスリル合金とかから、どうやって作ってくんだ。ハンマーとかミスリルだろ。」

 ドラゴンの皮は柔らかいが強靭で、ミスリルの武器では傷を付けるのがやっとだ。

「これはお前らの武器と同じでミスリル合金だ。」

「それでも、作れるもんなのか。」

「この火が肝心でな。教会から分けてもらった聖火だ。」

スミスは大事そうに火の灯ったランプを掲げる。

普通の火とは異なり、ランプの灯は青く揺らめいていた。

「これを使うとどんな物も鍛冶で作れんだ。」

「凄いな。戦いでも使えそうだ。」

「いや。それは出来ねえ。戦いで使おうとすると消えちまう。」

「そんなもんなんか。不思議だな。」

レイは興味深く青い灯を見つめていた。

タックとフクンは話に興味が無いのか、レイのそばでスヤスヤと眠っていた。

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