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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
66/421

66.魔法袋

 レイとトムが家に帰ると、マールと2匹の猫が仁王立ちしていた。

全員鼻の穴が膨らんでいて、何故か得意げだ。

『レイ!出来た‼』

タックとフクンがすごい勢いでレイに走り寄る。

レイは2匹を抱き上げると、「出来たんだね。」と嬉しそうに言った。

「何が出来たんです?」

トムだけが蚊帳の外だ。

「ふっふっふっ。」

レイが悪そうな笑みを浮かべる。

「じゃーーーん。」

レイが見せたのは何の変哲もない袋だ。

冒険者が腰につけるもので、ポーションや携帯食など必要最低限のものを入れている。

「これを見てくれ。」

レイが手近にあったベッドを近くに寄せた。袋を近づけると一瞬でベッドが消える。

「なっ‼‼。」

トムは驚いて硬直してしまった。あのでかいベッドはどこに。

「ふふーん。」と言いながら踊り出す2人と2匹。何故か腹が立つ。

レイがおもむろに袋に手を入れ、何かを引っ張り出した。

すると先ほど一瞬で無くなったベッドが、再び姿を現したのだ。

「なっ‼‼。」

トムは再び驚いた。しばらく呆然としていたが急に、

「何ですか!それ!」

とレイに掴みかかる。

「トム君。これはね。魔法袋というのだよ。」

トムが中を覗いてみると底に魔法陣が描かれている。魔力を込めながら物を袋に入れると、袋より大きなものでも入るという。

逆に取り出すときは、取り出したいものを頭に思い浮かべる必要があるという。

「どれくらい入るんですか。」

「まだ検証してないが。いっぱいかな。」

マールも会話に加わる。

「でも高いもんや大切なもんは止めといた方が良いね。さっき作ったばっかだし。」

トムはキラキラした目で魔法袋を見つめている。

「トムの分も作ったぞ。」

レイがトムにもう一つの魔法袋を渡した。

「いいんすか。」

「当たり前だ。」

マールが2人に割って入る。

「良かったね。トムの腹巻やパンツが入れ放題だよ。」

「黙らっしゃい。」

レイとトムは旅に必要なものを魔法袋に詰め込んでいった。

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