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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
55/421

55.逃走

 ロックウッドの面々は、戦いの直後だというのに装備の汚れを落としていて、旅支度を既に終えていた。

「えっ。もう行くんですか。」

「ああ。」

「何で。」

ロックウッドのメンバーは黙ったままだ。

「まっ。大人の事情じゃ。」

建物の奥から、村長とセイクルズのメンバーが出てくる。

「事情。」

「王命に背いて、贄を逃したからの。咎人となるじゃろうて。この村で匿っていたら連帯責任になるしの。」

「人の命を救ったのにですか。」

「ああ。そうだ。後悔はない。」

ロックがキッパリと言う。

「手配書が出る前に、アッカディー王国に逃げたいのよ。じゃあね。」

ミナが力なく笑った。

「後のことは村長とセイクルズに任せてある。じゃあ行くぞ。」

「面倒くさいけどね~。」

戦いのときとはうってかわって、セインがけだるそうに言った。

「あっ。ほれ。報酬じゃ。少ないがの。」

村長がロックにお金がパンパンに詰まった袋を渡す。ロックは断ろうとしたが、「餞別じゃ。」と村長に押し付けられ、渋々受け取った。

ロックウッドのメンバーはオークの死体が積みあがる門から出ていこうとしたが、直前にロックが振り返った。表情は疲れていたが、はっきりとした口調で言った。

「レイ。お前はまだ強くなる。修行しろ。剣も魔法も。もう後悔したくないなら。」

5人は東に向けて走り出した。日が東の空から登り始めた。

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