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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
52/421

52.キングオーク

 「皆、後少しだ!」

『おう!』

ロック・ゴザ・セイン・クルンの4人は、あと少しでキングオークに攻撃できる位置まで近づいていた。

先ほどまでジリジリと後退していたが、キングオークの攻撃が無差別でハイオークも倒されていること、西の方向から鬼神のごとく突き進むトムの攻撃により、オークたちの陣形が崩れ始めているからだ。

キングオークさえ倒すことが出来れば、指揮官を失ったオークたちは迷走する。

返り血を浴びながら、目の前のハイオークを切り刻んでいく。

もうあと一振りで攻撃が届く位置まで来た時、不意に目の前の視界が広くなった。

4人は一瞬何が起こったか分からず立ち止まったが、その次の瞬間、絶望した。

キングオークが消えたのだ。辺りを見るが姿が見えない。消えたと思い戸惑っていたが、西の方角からドンという重い音がしてそちらを見ると、トムの目の前にキングオークが立ちはだかっていた。

「まずい。」

ロックは呟いた。

トムは1人でハイオークを倒し続け、疲れが見え始めていた。もし体調が万全でもキングオークを倒すのは無理だろう。

トムに加勢しようと4人は向きを変えて近づこうとするが、大勢のハイオークが立ち塞がり、中々前に進まない。

トムの前まで一気に跳躍したキングオークはニヤニヤ笑いながら、持っていた棍棒をトムに振り下ろした。

ハルバードで受け止めたトムだったが、完全に力で押し負けている。

腕が震えていて腰の位置が低くなり、今にも膝が地面につきそうだ。

キングオークはハルバードから棍棒を引き剥がし、再びトムに振り下ろした。

死を覚悟し思わず目を瞑ったトムだったが、次の瞬間キングオークの絶叫を聞いて目を開く。

トムが見たのは、キングオークの脳天に剣を突き刺すレイの姿だった。

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