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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
44/421

44.村長の策パート2

 2匹をおんぶしてアアナの近くに立っていたレイを村長は呼んだ。

「何です。」

「2匹は魔法が使えるが、戦えるのかの。」

「ううん。無理ですね。まだ子供ですし。」

先日の一件を隠し、レイは答えた。

「そうか。」

しばらく村長は考えた後、予想外のことを言った。

「じゃ、攻撃の魔法陣作れるか。」

「はい?たぶん作れますが。」

 村長の脳裏には、ある日の昼下がりの光景が広がっていた。

レイが魔法陣を描き、風を巻き起こして木こり亭の子供たちと遊んでいた。

猫たちも魔法陣から水を巻き起こし、風と組み合わせてドラゴンの形を作っている。

子供たちは「すごい。すごい。」とはしゃいでおり、猫たちは「もっとすごいの作れるにゃ。」

と自慢げにヒゲを撫でていた。

「風魔法や氷魔法の魔法陣を村周辺に張り巡らせてほしい。」

村長は言う。

聞けば弓矢や魔法ポーションの数に限りがあり、もしオークの軍勢が来た時には村に到達する前に数を減らしたいという。

1人と2匹は一旦訓練を離れた弓使いの冒険者に同行してもらい、村から少し離れたところに魔法陣を描き始めた。

魔法や弓が届かないぎりぎりの所に村を取り囲むように描き、街道とその周辺は特に念入りに幾つもの魔法陣を描いていく。

「こんなんやっても村に来るとは限らんしなあ。」

同行していた弓使いが疑問を口にする。

確かに王都を目指しているオークの軍勢が、他に標的を変えるとは考えづらい。

「でも念には念を入れて。オークの残党がここを襲わないとも限らないしね。」

レイが答える。

村長としては出来る限りの策を講じて、犠牲者を出さないようにしたいのだ。

夕暮れになるまで魔法陣を描き、任務を終え、何人かの旅人を保護したロックウッド・セイクルズと合流して村に帰還した。

ロックから明日朝にオークの軍勢が王都に到達すると伝えられた。

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