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復讐者  作者: 安慶
最後に望むもの
408/421

16、神という名の少年

 何も無い空間に白い床がずっと続いている。

頭上には闇が広がっており、見ていると吸い込まれそうだ。

颯爽と現れたかったのに、かなりグダグダになってしまった。

用を足して手を拭いた4人が神らしき人間の前に並び立つ。

見た目は全く人間と同じで、やっと独り立ちしたくらいの少年に見える。

赤い目と白い髪の人間で、生気が無いのではと思うくらいに肌も白い。

神と思しきその少年は、あぐらをかいて地面に座っていた。

「やっと来たの?かなりカッコ悪かったよ。」

「まあな。自然の呼び声には勝てない。」

カッコ悪いことをレイは素直に認める。

「で、君が神なの?」

「もうちょっと口のきき方に気つけたら。僕、君たちよりもかなり年上なんだけど。」

「へえ。」

「1,000年以上は生きてるんだ。」

「ほお~。」

「興味無いね。バカにしてんでしょ。」

 少年は立ち上がり、レイたちをうんざりした表情で見た。

「ザムだっけ。ありがとね。色々面白いもん見させてもらったよ。」

「このクソガキ。」

『神の眼』を持つザムが睨みつける。

「で、ここに何しに来たの?まさか僕殺そうとしてたりしないよね。」

「そのまさかだが。」

 レイは剣を抜いた。

それを合図にして、他の3人もそれぞれ武器を構える。

「まったくさあ。神に武器を向けるなんて。何考えてんの。死ぬよ。」

 武器を持たない、鎧も身に着けていない少年に対し、レイたちはオリハルコンの武器を突き付ける。

レイの短い合図で4人が一斉に襲いかかった。

全員神の脳天目掛けて武器を振り下ろす。

 だが神に武器が触れた瞬間、粉々に壊れてしまった。

「へっ。」

 レイは残った柄をマジマジと見てしまった。

「君たちバカだねえ。」

神は呆れたように言葉を続けた。

「オリハルコン。最強の金属。それ作ったの僕だよ。僕が作ったもので僕傷つけられるって思う?魔剣?そんなの痛くもかゆくもないよ。」

「ファイア!」

レイが神に向かって火魔法を撃つが、触れた瞬間跡形も無く消えてしまった。

「やっぱりバカじゃん。魔法も僕が作ったものだよ。無駄なことすんだね。」

鼻で笑う神に、固まる4人。

ここまで来て神を攻撃する手段を失ってしまった。

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