表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐者  作者: 安慶
神への抵抗
386/421

38、合流

 レイたちはヒット&アウェイを繰り返しながら帝国の城を攻め続けた。

初日にディーディーのブレスで城を半壊させたが、その後はブレスを封印した。

アトラントが言うには、強力なブレスを溜めるのには時間がかかるため、チルたちと合流するまでは抑えて攻撃していた。

 レイたちも装備を替え、タック・フクン・アレスをザムに預けて6人で帝国兵の数を削ることに専念した。

相変わらず帝国兵はオリハルコンの装備を身に着け、隊列を組んで攻撃を加えてくる。

レイ・トム・ジャミ・ロック・レシーア・ゴザの魔力と体力が尽きるまで攻撃し、頃合いを見計らって逃げる。

ディーディーを離れた場所に待機させて、煙や光魔法で帝国兵を妨害しながら逃げた。

魔法主体の攻撃・物理攻撃主体で攻める、時間もバラバラで攻める場所も変えながら、

帝国の城を攻めはじめて5日目の夕方、チルたちがとうとう帝都に到達した。

チルたちは不気味なほど順調に移動できた。

途中さらに2つの町のそばを通ったが、門が固く閉ざされ、攻撃をしてくることは無かったという。

 近くの森で1泊し、日が昇るとともに攻撃を開始する。

レイたちは装備や道具を点検し、最後の確認をする。

「アトラントさん、もしもの時はディーディーに乗って逃げてください。」

「そうならないように、万全を尽くせ。後ろは任せろ。」

白銀の鎧を身に着けたアトラントがレイを励ます。

斥候はジャミを除き、レイたちが負けた時のために配置することになった。

タック・フクン・アレスを連れて、魔族領に逃げてもらうことにする。

「ザム、明日は俺たちと一緒だ。覚悟は良いか。」

「もちろん。俺が先頭を務める。もしもの時はお前らだけでも逃げろ。」

「そこまで言うか。」

「当たり前だ。元はと言えば俺がレイを誘ったからだ。レイにとっては魔族と戦ってた方がどれだけ良かったか。」

「そうでも無いと思うが。」

 マオハリたちと戦い、ドインが死んだ時のことを思い出す。

あれが今より良い事なのか分からない。

「チル、ゴゴズ、準備は。」

「バッチシです。帝国の奴ら1人でも多く倒しますよ。」

最初キッコーリ村であった時はヒョロヒョロで頼りなかったチルが、今では優秀な魔術師となった。

レイはチルの肩に手を置くと、ロックたちを振り返った。

レイが何かを言う前にロックが苦笑いをしながら話始めた。

「くさいセリフ言うの止めろよ。俺はそんなの苦手なんだ。」

「言わせろよ。」

「冒険者ってのは常に覚悟してるもんさ。今更聞くなよ。」

ロックはレイの返事を待たず、背を向けて「さあ寝るか。」と伸びをした。

 レシーアが微笑みながらレイに近づく。

「ロック、相変わらずでしょ。それが彼の良い所よ。じゃあ、私たちも寝るわね。」

ゴザがレイの肩に手を置き、レイは頷き返した。

どうやらこの場で力が入っているのはレイだけのようだ。

「うにゃああ、眠いにゃあ。」

「レーイー、寝よお。」

「わっふ。わっふ。」

タック・フクン・アレスがレイの足にまとわりついてくる。

レイは自分が満足するまで3匹を撫でた。

フワフワの毛並みの3匹を撫でるうち、レイもいつの間にか寝てしまったようだ。


 レイは日が昇る前、薄暗い空の下、皆の顔を見回した。

「準備は出来たな。これが最後の戦いだ。勝つぞ!行くぞ!」

 レイの声に『おうっ!』とその場にいた全員が呼応し、それぞれ配置につく。

東から日が昇ろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ