表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐者  作者: 安慶
神への抵抗
369/421

22、ジャミの決意

「ジャミ、大丈夫か。」

ディーディーの背中の上でレイがジャミに話しかける。

「何が。」

「顔色が悪い。ちゃんと休んでるのか。」

「放っといてよ。」

ジャミが顔をそむける。

2人の間にしばらく気まずい時間が流れた。

「あのさ。」

ジャミが口を開く。

「何だ。」

「マイロを連れてくだけじゃなくて、皇帝とか倒さなきゃだよね。」

「無理するな。」

 今の皇帝はジャミの実の弟だ。

その上、ジャミは殺すのが苦手だ。

盗賊時代も気づかれないようコソ泥のような盗み方をしていたし、人間はもちろん魔物相手でも殺しに関わっているのをほとんど見たことが無い。

「俺も決着付けたいんだ。もし俺が盗賊じゃなかったら。」

ジャミは青い顔で話を続ける。

「俺が魔族を作ってたかもしんない。人間殺して。」

レイは黙っていた。

今はジャミが自分の気持ちを吐き出した方が良い。

そう判断したからだ。

「だから俺が皇帝を殺す。この短剣で。」

ジャミは腰に付けたミナの短剣をそっと触った。

自分が弟を殺す。

その決意を固めたいようだ。

 レイの横にいたザムが気分を変えるように話かけてきた。

「親父に攻撃は続けてくれと言ってある。」

「今日のこと言ったのか。」

「いや。前回情報が漏れたからな。今回は攻撃続けてくれとしか言っていない。」

「ありがとう。」

「こっちが巻き込んだことだからな。」

「ディーディー、西側に行ってくれ。」

「分かった。にいに。」

ディーディーは方向を変え、魔族領との間にある山脈に向かって飛んでいる。

「西側から行くのか。」

「荒れ地で町は3か所だ。いくら戦争といっても相手の市民の被害が少ない方が良いだろう。」

「だな。」

 ディーディーの高速飛行により、レイたちはラガッシュ帝国に入ろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ