20、戦力分析
「戦争だ。」
タリカの一言に皆の顔が引きつる。
「それしか無い。」
「正面からぶつかってマイロを奪還するのか。」
「ああ。今のままだと2カ月半後にアッカディー王国騎士団と戦うことになる。帝国とどっちが良いか。ジャイルと戦うのか。」
「それは避けたいな。」
「だったら帝国と戦うしかない。」
再びタリカが言った。
レイたちが戸惑う中、ロックは力強く頷く。
「やってやる。俺は行くぞ。」
ライバはプカプカ浮きながら現実的なことを言う。
「で戦力的には相手はどのくらいですか。」
「帝国軍は20万以上だ。」
「ぶっ。」
兵士だけでシュミム王国の人口の約2倍だ。
帝国がどのくらい大きいのかが分かる。
「国境の警備や町の警備で実際に戦うのは半数の10万くらいだろう。」
「こちらの戦力は。」
「アッカディー王国側は出せない。」
タリカはキッパリと言う。
「俺やカウミたちは人質に取られてることになってるからな。」
「レイたちとロックウッド、レイの奴隷たちか。」
「俺の奴隷は5,000人くらいか。」
タリカは5,000という数字を訂正する。
「スミスが頑張ってな。あと1,000人くらいは戦えるはずだ。」
「20万対6,000か。」
「圧倒的な差だな。」
レイとロックは顔を見合わせて思わず苦笑する。
ライバが難しい顔をしながら話を続ける。
「装備に優劣は無さそうです。相手もアダマンタイト製の装備でした。」
「レイ、厳しいぞ。マイロがこちら側につくとも限らん。」
「ああ。だがそれしか無いんだったらやるしかない。」
「あっあの…。」
ライルが遠慮がちに聞いてきた。
「タックちゃんたちどうしますか?」
レイは側でくつろいでいる3匹を見る。
「付いてくにゃあ。」
「なあん。」
「ワッフ。」
3匹とも付いてくるようだ。
「すぐに行くか。俺らはいつでも良いぞ。」
ロックとレシーア、ゴザが力強く頷いた。
「いつ行くのか。」
「すぐが良いだろう。相手が体制を整える前に。」
タリカはすぐにでも行けと言う。
レイたちの議論が白熱する中、いつの間にかレイたちとの会話から外れたスミスが、エラを引き連れて入ってきた。




