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復讐者  作者: 安慶
魔族の真実
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13、ガイライの狂気

 お水ありがとうございます。

で、突然兄がギルガ神聖国に呼び出されたんです。

私たちのやってることがバレたんでしょうね。

神への冒涜ですから。

ビクビクしながら兄の帰りを待ってました。

兄と共に処罰を受けるんではと。

 でも帰ってきた兄は、更に目を輝かせてました。

神からお墨付きを頂いたと言ってました。

堂々と研究が出来ると。

 それからの兄の没頭ぶりは心配になりましたね、さすがに。

魔物を生け捕りにしてきて、相手が襲ってきたら殺す。

で魔物から魔石を取り出す。

そんなことを繰り返してました。

 ある時ですね、兄に夜中叩き起こされたんです。

分かったって兄は興奮してました。

この世の真理の1つが分かったって。

兄が言うにはですね、魔石の大きさは強さと比例するわけでは無いと。

人間に対する殺意と比例すると。

人魚やスライムみたいな小さい魔石は、それほど人間に対して殺意はありません。

で、大きくなると、ゴブリン・オーク・オーガって大きくなるにつれ、食べるためではなく、ただ殺すために人間を襲ってくるんですと。

私は疑問でしたね。

ゴブリンとオーガの魔石の大きさは違いますが、殺意は大体一緒なような気がして。

でも兄は自分の考えに固執しました。

人間も魔石があれば、そうそう魔物に襲われないんじゃないかと。

 それからですか、兄が狂い始めたのは。

奴隷たちを買い集めて、生きたまま胸を開くんです。

で生きたまま心の臓に魔石を埋め込む。

 最初は上手くいきませんでした。

そりゃ死にますよ、普通。

である時、死んでホヤホヤの人間が手に入った。

魔石埋め込んでみると、ちょっと動くんです。

でもちょっとでダメだった。

あまりに上手くいかなくて、兄はヤケクソに魔石を埋め込んだ死体に光魔法を撃ちました。

死体を処理しようとしたんでしょう。

そしたら、死体が動き始めました。

ゾンビ化したかと思ったんですが、様子が違う。

とても驚いたんですが、人間としての意思があるんです。

人間だったころの記憶もある。

 兄はそりゃあ喜びましてね。

何体も作ったんです。

魔物としては弱いですが、人間としての意思を持ってて。

新しい人間を作ったって言ってました。

そして作った魔族たちを今の魔族領に行かせた。

効果ありましたね。

魔物が帝国側に来なくなりました。

やはり魔族は魔物にそんなに襲われないようです。

食料にはされてたようですがね。


 レイたちは黙ってマイロの話を聞いていた。

マイロの話では魔族が生み出されたのは30年前くらいのようだ。

今まで聞いていたことが少しずつ合わさっていくような感覚がある。

 そういえば。

約1000年前、神々の戦いのとき、魔族はいなかった。

神と人間と魔物がそれぞれの陣営で戦ったと聞いている。

ということは、魔族はそれ以降に出てきた種族だということだ。

 レイたちは今まで黙ってマイロの話を聞いていたが、ザムが突然口を開いた。

「で、魔族の作り方と作られた理由は分かった。何故ガイライはキングリッチになった。」

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