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復讐者  作者: 安慶
魔族の真実
317/421

1、襲撃

  魔族が悲鳴を上げて逃げ惑っている。

女の背後から黒い鎧が切りつけている。

戦闘の意思のない女子供見境なく襲い掛かっている。

「皆、助けてくれ!」

「黒い奴?」

「そうだ。」

レイとザムは剣を抜き、駆けだした。

黒い鎧の集団の前に立ちはだかり、魔族を守るように剣を振るう。

「ホホ、黒いのを攻撃するのですね。」

「俺、ケガ人助ける。」

後れてライバとジャミが後方から動き出した。

ジャミはケガをした魔族を抱えて逃げ、ライバはそれを追おうとする黒い鎧たちを魔法で打ち倒す。

「俺たちも。」

「うん。」

「ひえええ。」

ショウダイ・アサミ・ユウナも遅れて飛び出し、3人で1人の黒い鎧と戦っている。

「大量に湧いてきてうっとおしいですねえ。」

 絶え間ない攻撃に業を煮やしたライバは上空へと飛んでいき、黒い鎧たちの動きを見ている。

「あそこら辺に一発。」

黒い鎧たちの後方に上空から魔法を撃ち始めた。

徐々に敵の陣形が崩れ始める。

「レイ!皆避難させたよ!」

ジャミの報告を合図にレイとザムの攻撃は激しさを増した。

上からライバの魔法、地上ではレイとザムからの攻撃で、圧倒的に数で優位だった黒い鎧たちは後退を始めた。

突然ドンという大きな音と共に、黒い鎧たちが一斉に逃げていく。

「逃すか!」

レイとザムは追撃で逃げる敵の背後から剣を振るっている。

ライバは退路を断つため、上空から逃げる集団の戦闘に向けて魔法を撃ち続けていた。

「あっ。」

ライバが目を覆う。

強烈な光に襲われたからだ。

レイたちもあまりの眩しさに目を瞑った。

光が収まってから前方を見ると、既に敵は全員逃げた後だった。

不思議なことにレイたちが倒した敵の姿も無い。

先ほどまで血を流しながら地に伏せていたはずだ。

「レイ、ライバ、あそこ塞げないか。」

残った敵はいないかと見回すレイに、ザムが声をかける。

 ザムの指さす方向を見ると、そびえ立つ山々の間に細い切れ目がある。

よく見ると人1人が通れるくらいの細い道が奥まで続いていた。

ここから黒い鎧たちが襲ってきたのだろう。

レイとライバは残った魔力を使って土魔法で壁を作っていく。

道を塞げばしばらくの間は魔族領の平和は保たれるだろう。

 レイは道を塞いだ後、その場に膝をついてしまった。

ショウダイたちは既に座り込んで息が上がっている。

相当無理をしたのだろう、ザムは仰向けになって咳込んでいた。

レイたちが息を整えていると、青ざめたジャミが駆け寄って来た。

「レイ、助けて。死にそうな人がいるんだ。」

 ジャミの言葉に、レイとザムは手をつきながら震える足で立ち上がった。

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