24、しばしの別れ
フクンが何かを訴えるようにレイを見上げている。
レイは微笑んでフクンの頭を撫でた。
「そうだね。子猫たちが心配なんだね。良いよ。」
「いいのん?」
「良いよ。タックと一緒に面倒見てあげてね。」
「ありがと。」
フクンはタックを見た。
タックもレイを見上げている。
「レイ、寂しくない?」
「寂しいけど、ずっとの別れじゃないからね。用事終わったら迎えに来るからね。」
「うん。待ってる。」
タックとフクンは頷いた。
レイはライルに二度目のお願いをする。
「タックとフクンも良いですか。」
「もちろんです!」
「あとアレスも。」
「クウ?」
アレスは僕も?とでも言いたげに首をかしげている。
「戦えるアレスがいると安心だからね。タックとフクンと一緒に子猫たちの面倒見てね。」
「クフン。」
レイと一緒に旅が続けられなくなり、アレスは少し寂しそうだ。
「セイクルズの皆さんはどうします?」
「俺たちは一旦戻る。他にいるかもしれないからな。」
「じゃあ、これ持ってってにゃん。」
タックとフクンが爪を合わせて魔力を込めている。
フワフワと光が浮かび中央に集まってきて水晶のような玉を作り出した。
「これは?」
「これでエル・キャットを探せるにゃん。魔力込めると大体の位置が分かるし、近づくと向こうから来てくれるニャ。」
「ありがとう。」
セインは屈んで光の玉をタックから受け取る。
レイは寂しそうに3匹の頭を交互に撫でた。
タックもフクンもアレスも単なる従魔ではなく、ずっと一緒に旅をしてきた仲間だ。
魔族領で用事を済ませたら、直ぐにでも迎えに来よう。
「あと俺の奴隷で戦える奴送ります。魔法陣今使えないんで時間かかると思いますが。」
「大丈夫です。この町には頼もしい衛兵と冒険者がいますし。キングウルフさんたちも協力してくれると思います。」
「なんだかんだ言って優しいお母さんですからね。」
「そうですね。迷いの森にキングウルフさんたちが住んでから、魔物の被害がすっかり減りました。粗相が無ければ人襲ってきませんし。」
「頼みます。お願いします。」
「はい!任せてください。」
ライルの元気な返事を聞いたレイはカウミに話しかけた。
「カウミさん、お願いします。」
「はい。お任せください。レイ様の頼みとあれば。」
「あと、ライルの領主の仕事ってライバのサポートはまだ必要ですか。」
「いえ。もうすっかり覚えまして。補佐の私も要らないんじゃないかってくらい。」
「じゃあ、ライバ連れてって良いですかね。」
「へっ?」
「はい、どうぞ。」
「はええええええ!。」
ライバは悲鳴を上げているが、これからの旅はライバに付いてきてもらう。
この町にライバを残せば、子猫たちに何をするか分からない。
溺愛しすぎて気持ち悪いことになりそうだ。
悲鳴を上げているライバを引きずって、レイたちは小国群にあるセイクルズの拠点へと戻っていった。




