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復讐者  作者: 安慶
魔族領への旅
308/421

22、キングウルフと初対面

「またお前らか。別の場所に移せと言ったであろう。」

うんざりした様子でキングウルフが頭を上げた。

「すいません。落ち着いたら移しますんで。」

レイが謝るとキングウルフは再び頭を前足の上に乗せ寝始めた。

「おっおっきい。」

「迫力あるな。」

「しゃべってる…。」

セイクルズは初めて見るようで興奮している。

「生きてるうちにキングウルフが見れるとはな。」

「そうね。美しいわ。」

「キングウルフは凶事の前触れと言われてる。フェンリルが現れる前、必ずキングウルフが目撃されるらしい。」

マッチョな魔法使いジョナが説明する。

 レイは居心地が悪くあえて言わなかったが、ジャミがうっかり口を滑らせた。

「もういるんだよなあ。」

ジャミの呟きにセイクルズのメンバーの視線がレイの足元にいる白銀の狼に注がれる。

 剣士のクルンが震える手でアレスを指さした。

「レイ、もしかしてその子。」

「そうだが。」

「うへえ。」

セインが間抜けな声を出した。

 僧侶のキミイが思わずため息をつく。

「レイってほんっとに。エル・キャットが従魔だわ。フェンリルが従魔だわ。2万人も奴隷いるわ。魔法全種類撃てるわ。魔族倒すわ。何なの、あんた。」

「ははっ。」

レイは頬を掻きながら笑うしかない。

「まあ、勇者ってことなんだろ、それが。とりあえず迷惑かけそうだし行くか。」

「そうだな。じゃあキングウルフさん、お邪魔しました。」

「ふん。」

 キングウルフが鼻を鳴らしたのを合図に、レイたちはライバの町へと向かう。

タックとフクンをおんぶして走りながら、レイはセイクルズに説明した。

「ライバさんは死んでしまって、今はライルが領主してます。」

「惜しい人を亡くしたね。」

セインがしんみりしている。

「で、今は俺の従魔なんで間違っても倒さないでください。」

『!!!!』

セイクルズの全員が驚きのあまり無言になった。

「あのさあ、レイさあ。」

セインの呆れた声はレイの耳に入らない。

 これから始まるであろう惨劇に、レイは身がすくむ思いだった。

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