15、それぞれのスキル
「それより俺も聞いて良いか。」
ザムも何か疑問があるようだ。
「何だ。」
「『狂った女』ってどういうことだ。」
レイは言葉に詰まる。
「良いじゃんか。ザムもまだ全部言ってないでしょ。」
横からジャミが口を挟む。
ジャミはレイが偽勇者たちを殺した時、側にいた。
薄らと事情が分かっているのだろう。
「お前の『呪い子』も言いたくないのか。」
「言いたかないね。それよか、神のうんちゃらって何だろね。」
「『神の理を外れた者』か。」
「そう。それ。」
「俺たちの職業とかスキルとかか。」
「そうかもな。『復讐者』なんて職業無いからな。」
「俺は盗賊だぞ。それも無いのか。」
「それは結構あるな。じゃスキルか。」
レイとザムとジャミは顔を見合わせる。
通常自分のスキルやステータスは他人に開示しない。
パーティーを組んだ時など、それ相応の理由がある時だけだ。
レイたちはお互い探りを入れていたが、ザムがため息をついた。
「このままお互いに不信がってもな。俺から言った方が良いな。」
「どんなやつだ。」
「『ミラー』自分のレベルに関わらず、相手のスキルが使えるしステータスが同じになる。」
「チートじゃん、それ。」
「ズル~い。」
黙って話を聞いていたショウダイたちが文句を言う。
「一つだけか。」
「そうだな。で、レイは?」
「俺は『真実を見る目』と『無制限』だ。」
「何だ、それ。」
「真実を見る目は相手のレベル・職業だけじゃなくって、人間性って言うかな。善良かどうかとか嘘ついてるかとか分かる。」
「怖いな。じゃあレイの前では嘘は付けない訳か。」
「まあな。相手のレベルが高いと見れないこともあるが。」
「で、もう1つは。」
「『無制限』。こっちは何か俺も分からん。」
「何となく分かるけどね。」
ジャミが苦笑する。
「分かる?」
「だって魔法全部の種類使えるじゃん。普通はせいぜい3種類だよ。奴隷の数も凄いし。」
「レイの奴隷、何人だ。」
「2万超えてると思う。」
「ぶっ。」
奴隷の人数を聞いたザムが吹き出している。
レイには意味が分からなかった。
ドインも数多くの奴隷を抱えていて、そんなものだろうと思っていた。
「2万の奴隷は異常なのか。」
「異常だろ。普通は5人くらいが限度だ。」
「でもドインは1,000人くらいいたぞ。」
「レベルが高かったんだろ。それも異常だがレイは相当だな。」
「そうか。」
レイは少し恥ずかしくなって、頬を掻いた。
自分のスキルに無頓着すぎた。
強くなるためにもっとスキルの解析をしよう。
「で、ジャミは。」
恥ずかしさから気を紛らわせるために、レイはジャミに聞く。
「俺は『嘘から出たまこと』。」
「俺の知ってる言葉に同じのあるな。大体どんなスキルか分かるが。」
「でしょ。嘘が本当になるって思うっしょ。」
何故かジャミが怒っている。
「違うのか。」
「何回もやったんだよ、色んなこと。石をパンって言ってかじったり。でもなんないの。パンに。全然。」
見るとジャミの歯が欠けている。
レイは呆れながら回復魔法でジャミの歯を治した。
「あんがと。」
「ん?ちょっと待て。」
「何?」
「自分はレイの奴隷じゃないとかも…やったな。」
「あは。あはははははは。」
この後、逃げようとしたジャミが念入りにレイに説教されたのは言うまでもない。




