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復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
28/421

28.杖を持って

 「あった。あった。」

マールは嬉しそうに物置小屋で呟いた。夫や息子たちの品を保管している小屋で、ずっと探し物をしていたのだ。

マールの手に収まったそれは、ただの小さい木の棒のように見えた。

「ただいま。」

「お帰り。」

店に戻ると作業を終えてヘロヘロになった2人が猫をおんぶしながら帰ってきた。

レイがタックとフクンを降ろすと、くわーっと伸びをして猫たちが台所へと向かっていく。

用意していた肉とパンの皿を出すと、2人と2匹は両手を使ってがっつき始めた。

一通り食べて全員が満足した後、マールはレイに話しかけた。

「レイよ。」

「はい。」

マールから改まって名前を呼ばれるとドキッとする。

「魔法が使えるようになったと聞いた。これ使え。」

「はい?」

マールから木の棒を渡され、レイはそれを見つめた。

「良いもののようですね。」

「そうかい。爺さんが行商人から騙されて買ったものでね。本物だと良いんだけんど。」

レイはタクトを振るように動かす。

フクンから、

「その先に魔力を込めてみてん。」

と言われ、レイは魔力を杖の先に集中させた。

杖の先がポウっと明るくなり光を放つ。

「確かにいい杖にゃ。」

「これで明日からの作業も捗るにゃ。」

聞けば杖は魔力操作をし易くして魔法の威力が増すという。

「ふっふっふ。明日から覚悟するにゃ。」

タックとフクンがニヒルな笑みを浮かべている。

嫌な予感しかしないレイを横目に、トムは魔法が使えなくて良かったと思った。

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