3、王都の今
「気を付けて。何かいる。」
耳を動かして王都の中を探っていたミナが警戒している。
レイたちはその声を聞いて静かに剣を抜いた。
王都は門こそ破壊されているが、中はほとんど破壊されていない。
レイたちは破壊された門の隙間から王都へと入っていくが人の気配が全くなかった。
「1軒ずつ見ていくか?」
ロックの問いにタリカは首を横に振った。
「いや。後にしよう。まずは城からだ。」
生き残った者がいないのは明らかだ。
所々焼け焦げたり破壊された建物がある。
舗装された整然とした大通りも、今は穴が開いた所が何ヶ所もある。
残された建物に魔物が潜んでいるかもしれないが、ひとまず城へと向かう。
しんと静まり返った大通りをレイたちは無言で歩いていた。
レイが城から追い出された時、人でごった返していた大通りは誰一人としていない。
トムと腹を満たした広場の屋台もない。
レイたちが城へとたどり着くと、ミナは一層警戒を強めた。
「何かいる。気配する。」
ミナの言葉にタリカを守るように陣形を整え、城の中に入っていく。
「何の気配だろ、これ。」
警戒しているミナが首を傾げた。
「魔族じゃないのか?」
「うんにゃ。魔物とも魔族とも違う。」
「生き残ってる奴がいるかもな。」
「人とも違うんだよなあ。」
ミナはまだ首を捻っている。
得体のしれない何かが城の中にいるようだ。
「ミナ、そいつのいる所に案内してくれ。」
タリカの指示にミナはこっちと指をさした。
その方向に武器を抜いた7人が進んでいく。
豪奢な廊下の先には、今まで通って来たところよりも更に豪奢な扉があった。
「謁見の間だろうな、この豪華さ。」
「だな、何か嫌な予感がする。」
ロックの表情を見てレイの顔が引き締まる。
「あの扉の先にいる。」
ミナの言葉にロックとゴザが無言で頷いた。
2人は扉の左右に移動し、取っ手に手をかけた。
「行くぞ、ゴザ。」
「おう。」
視線を交わした2人が頷くと一気に扉を開け、中へとなだれ込んだ。
玉座に何者かが座っているのが確認できる。
武器を手にゆっくりと進んでいく7人に、聞き覚えのある声が飛び込んできた。
「遅かったなあははははあ。ようこそおおおおそ俺の城おおおおと。国へええん!」
銀髪の髪を綺麗に整えたローミが大げさに両手を広げる。
「ローミ…。」
ローミの姿を見たロックは、思わず剣を下ろした。
ローミは。
ローミの下半身からは、クモのような脚が生えていた。




