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復讐者  作者: 安慶
人魔戦争
261/421

35、悪趣味

 砦の目と鼻の先にあるアウドの町が黒い霧に飲み込まれていく。

それを見ながらレイたちはどうすることも出来ない。

ミナたちが2度目の偵察から帰って来て3日後の朝、とうとう魔族率いる軍勢がアウドの町に到達した。

意外なことに砦をすぐ襲わず、アウドの町に留まっている。

中の様子を知ることは出来ないが、大体予想は付いている。

アウドの町にいる魔族たちの異常な魔力と殺気で、緊急招集で集まった23組のパーティーの中から気絶したり気分が悪くなって脱落する者が出てきた。

「マズイな。」

タリカが唇を噛みしめる。

「まっ予想出来たことだ。それよか魔族が4人しかいないってのは良いのか悪いのか。」

ドインは冒険者のことよりも魔族のことが気になるようだ。

「もしかしたらローミやライバんところに散ったのか。」

「そうでは無いだろう。」

「何か知ってんのか、レイ。」

 レイはキッコーリのことを言おうかどうか迷った。

もしかしたら爆発は関係ないかもしれない。

そんなレイの目の前にドインの顔がズイッと迫る。

確実ではないがと、キッコーリの持っていた魔法のおたまと爆発のことを話した。

「じゃあ、爆発は。」

「キッコーリさんが起こした可能性が高いです。」

「そうか。それで魔族が減ったかもな。」

 ドインはロックたちを呼び、対魔族戦の分担を変える。

レイとアレス、トムとゴザに分かれ魔族と戦うことになった。

ロックとドインはそれぞれ1人で魔族と対峙する。

 魔族たちがアウドの町に到達した1時間後、不意にオーガたちが町から出てきた。

防壁を破壊し出てきたオーガの数は、ドインの要塞で見た時よりもはるかに多い。

よく見ると先頭には3人の魔族がおり、それに従うオーガたちが何かを担いでいる。

 その様子を望遠鏡で見ていたタリカが吐き捨てるように言った。

「悪趣味だな。」

放り投げられた望遠鏡を空中で受け取り、レイも様子を伺う。

オーガたちは玉座のようなものを担いでおり、そこにはシュミム王が裸で座らされている。

オーガの肩に飛び乗った魔族の1人がシュミム王の頭を掴んだ。

 既に切り落とされていたのだろう。

シュミム王の頭が高々と掲げられ、砦へと投げつけられた。

その様子を見てゲラゲラ笑っている魔族たちを見て、ドインは静かに言った。

「行くぞ。」

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