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復讐者  作者: 安慶
人魔戦争
255/421

28、偵察

 ミナとジャミが高速で移動している。

2人ともレベルが100を超え、かなりのスピードが出ている。

魔族たちがどこで何をしているのか分からないため、転移魔法陣は使わない。

走っている最中、町にも入れず迷っている旅人を3組見つけた。

声をかけ、魔族が襲ってくることを伝える。

一様に真っ青になり助けてくれと請われたが、その余裕はミナたちには無かった。

また、いつ襲ってくるか分からないため北へと逃げるように伝え、ミナたちは西へと走り出す。

旅人たちは間違いなくタリカ領に着く前に追いつかれるだろう。

それならばライバ領へと逸れる方が、幾分か助かる可能性がある。

 良心は痛むが追いすがる旅人たちと別れ、魔族たちがどこまで来ているかを確認するため再び移動を始めた。

5日間ほぼ休みなく走り続け、アウド領と王都直轄領の境まで来た。

「ストップ。」

小声でミナが指示を出す。

ミナに呼応するようにジャミは止まり、近くの茂みに身を隠した。

背筋が凍ったような感覚に襲われ、震えが止まらない。

 ミナは大きくて尖った耳をピクピクさせて辺りを探っていた。

「多いね。」

ジャミも意識を集中させて王都直轄領を探る。

少なくとも7つ強力な魔力の塊が王都直轄領の中にある。

「だね。7つ。奴らかな。」

「多分ね。」

 ミナは辺りを見回すと、1つの大木に目を付けた。

大きいだけではなくてっぺんまで葉がかなり生い茂っている。

2人はスルスルと木を登ると、ミナは魔法袋から小型の望遠鏡を取り出し王都の方角に向けた。

「うっ。」

「師匠、何が。」

ミナは黙って望遠鏡をジャミに渡す。

何を見たのかと訝しがるジャミの目に映ったのは、おびたたしい数のブラックドラゴンだ。

王都周辺の空を飛んでいるのだが、背中に何かがビッシリと乗っている。

ジャミが更に焦点を絞って見ると、どうやら背にオーガを乗せているらしい。

「マズイね。来るの早いかも。ドラゴンが他の魔物運んでちゃ。」

「戻りましょう。直ぐ。」

「ちょっと待って。ドラゴン数えるから。」

 ミナがドラゴンを数え始めたとき、キッコーリ町の方角から凄まじい爆発音が聞こえてきた。

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