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22、行方不明
ライバから連絡が無い。
レイの背中がすっと冷たくなる。
「ライル、話してくれ。」
「あの、父様が出かけたときは、僕に連絡くれるんです、毎日。でも、今日は夜になっても来なくって。父様の従魔も暴れ出して。それで。」
レイがドインの方を振り向く。
「ドイン。ライバがどこ行ったか知ってるか。」
「いや。俺が一番に飛び出したから。3人とも残ってたな。」
「ライバ、行方が分からないらしい。」
「何!」
ドインの顔が引きつる。
拳を固く握りしめた。
「俺のせいだ。俺の。俺が連れ出せば。」
「ドインのせいじゃない。まだ死んだと決まったわけじゃない。」
「レイ。ライバ領に行ってくれ。ルート上の避難は俺が行く。」
「分かった。気を付けろ。もう夜だ。」
「レイもな。」
「トム。」
「分かってる。」
レイはトムと共にライバ領へと向かう。
ドインは部下を連れ、タリカとカンタはロックウッドの面々とルート上の町と村に向かうことになった。
レイは砦を出て家に戻る途中、空を見上げた。
いつもなら星が綺麗に輝いているのだが、今日は吸い込まれそうなくらいの暗闇が広がっていた。




