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復讐者  作者: 安慶
人魔戦争
235/421

8、マッチョ再び

「ゴワッフォ~ン。」

「ごふっ。」

強烈マッチョなリザードホーズに突然スリスリされてレイがよろめいている。

隣では別のマッチョがアッカたちのリザートホーズにメンチを切っていた。

裁判の翌日、レイたちが帰ろうと泊まっていた塔から出た所、レイの従魔であるマッチョなリザートホーズに襲撃された。

「何でここに。」

「やっほ~ん。来たよ~。」

「ミナ?」

マッチョの陰からミナが顔を覗かせた。

「あたしもいるよ。」

「マールさん?」

「よいしょっと。スミスとロックとミナに連れてきてもらってね。」

「何で?」

「お前なあ。」

スミスは何故かあきれ顔だ。

「他のリザートホーズに主人が連れられてって、こいつらが大人しくしてると思うか?」

「ああ。」

レイは思わず膝をついてしまった。

「暴れたんだ。」

「かなりな。」

 スミスが言うには、ジャイルに立派な馬車で連れられて行った後、リザードホーズたちは手が付けられない程に暴れだした。

これでは死人が出ると、急いで大型の馬車を作り直し追いかけて来たらしい。

「かなりスピードが出て大騒ぎになったからな。5日で来た。」

「アッカディー王国で新種の魔物が出たって騒ぎになってるかも。」

「お前らなあ。」

「大丈夫だ。」

ロックが苦笑いしている。

「休憩地の冒険者ギルドと商人ギルドに報告してる。町ごとの衛兵たちにも言ってるから、まあ討伐にとはならんさ。」

「はあ。」

 レイたちが大騒ぎしている後ろでは、アッカとジャイルが目を丸くしている。

「これはキングリザードホーズか?」

「ただのリザードホーズです。俺の従魔です。」

「…。」

 アッカとジャイルがレイのリザードホーズの胸筋を触って感心している。

「レイの従魔はどれも凄いな。」

「ありがとうございますと言っていいのか。」

「エル・キャットにフェンリル、マッチョリザードホーズか。やはりレイは勇者か。」

ずっと感心しているアッカに改めて別れの挨拶をする。

「すいません。ここで。俺たちはこの馬車に乗って帰ります。タリカさんは。」

「俺は乗る度胸無いぞ。自分の馬車で帰る。」

「私は乗ってみたいですね。」

「兄さんやめとけ。国王がマッチョ馬車に乗って死んだらシャレにならん。」

「そうか。」

残念そうなアッカとレイは握手をした。

「お世話になりました。」

「いや。こちらこそタリカ領を守ってくれてありがとう。死人も出なかったし。時間があったら遊びに行くよ。色々見せてもらえる?」

「はい。」

「ジャイルさん。」

「はい。それではここで。私もダンジョンに行きたいです。鍛錬のために。」

「喜んで。お待ちしています。」

ジャイルとも握手してレイは馬車に乗った。

 出発しようとするリザードホーズたちの鼻息が荒い。

動き出そうとする馬車の窓から顔を出し、レイは改めてアッカとジャイルに手を振った。

「お元気でっっぶっ。」

急に動き出した馬車で、レイの別れの挨拶は途切れてしまった。

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