表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐者  作者: 安慶
人魔戦争
231/421

4、アッカディー国王

 賢王と呼ばれるアッカディー国王は、タリカと同じような金髪細身の優男だとレイは思っていた。

だが予想に反して、アッカディー国王ことアッカは黒髪で人のよさそうな顔をしている。

眼鏡をかけていて、どことなくサクソウに雰囲気が似ていた。

 レイたちは到着後通された部屋に入るとすでにアッカディー国王が座っており、タリカの姿を見つけると、ニコニコしながら立ち上がった。

「初めまして。タリカの兄です。アッカと呼んでください。」

レイたち一人一人に手を差し出し、握手を求める。

側にいたジャイルは苦笑していた。

立場の下の者から自己紹介し、国王は領主であるタリカの紹介で初めて立ち上がるのが通例だ。

だが、アッカはそのような儀礼は好みでは無いらしい。

国王の側近も諦めているのか、特に咎めることもしないようだ。

「立ったままだと何ですし、座りましょう。」

アッカはタリカの隣に座り、話始めた。

「タリカ、久しぶりだねえ。元気だった?」

「おうよ、兄さん。おかげさまで。」

「シュミムが攻めて来た時はビックリしたよ。」

「うちは特に被害無いよ。ケガ人は出たけど死人はいないし。」

「良かったねえ。後の処理で何か問題は?」

「特に無いけど、誘拐されて捕虜にされた人たちをどうするかなって。」

「戻りたくない人もいるだろ。困ったことがあったら兄さんに言いなさい。」

「うん。」

レイたちはデレデレとした兄弟の会話を一方的に聞かされている。

 ひとしきり兄弟のデレデレ会話が続いた後、アッカはレイたちの方を向いた。

「すまない。久しぶりだったもんでね。明日の裁判のことをそろそろ話そうか。」

レイの隣に座っていたハリナがぎゅっと手を握りしめた。

「そんなに固くなることない。裁判というか公聴会というか。シュミム王国の懲罰を決めるもんだよ。シュミム王国の人間は出ないけど。」

「どういうことを聞かれるんですか。」

「王国の悪行、勇者の悪行の2つだね。レイさんとハリナさんだけではなく、他の人間も証人に立つ予定だ。」

「事前に証言は文書にして提出してるからね。それに違いないか確認するだけさ。」

タリカが補足する。

「で。」

アッカがニコニコしながらタリカに続く。

「アッカディー王国側は僕が弁護するよ。こう見えても説明は上手なんでね。」

「へっ。」

アッカディー王国は国王がレイたちの弁護に立つそうだ。

トムが驚いて間抜けな声を出す。

 レイたちはアッカと別れると寝室に通されたが、眠れない夜を過ごすことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ