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復讐者  作者: 安慶
経済戦争
219/421

47、人壁

 疲れた表情のミナが帰って来た。

レイは疲れているだろうと報告は明日で良いと言ったが、ミナは直ぐに伝えたいと言う。

タリカたちがミナの報告を聞くため、レイの家に集まってきた。

ミナはスープを飲みながらミナを見渡す。

 一同が固唾をのんで見守る中、ミナが口を開く。

「戦力としては王国騎士団、王都管理騎士団、ローミ騎士団、アウド騎士団。あと金で集めた冒険者。ライバとドインは参加しない。全部で1万くらい。」

ミナは少し手が震えているようだが話を続けた。

「ポッタの息子さんは、たぶん。隊列の1列目。」

「1列目?」

どういうことだとレイは尋ねる。

タリカはそれを聞いて渋い顔だ。

ミナの後を引き継ぎ説明を始めた。

「1列目に攫った人たちを配置して戦わせる。前に向かっても死ぬ。後退したら味方に殺される。強制的に前にしか進めないようにする。」

それを聞いたトムは手で顔を覆った。

「捨て駒にするということか。」

ロックが前方を睨んでいる。

「人として許されないわね。」

レシーアの口調がキツい。

「それだけ勝ちにこだわるということだろう。」

皆が怒りで震える中、タリカだけが冷静だ。

「殺せるのか俺たちに。」

自分たちに罪のない市民を殺せるのかとレイは問う。

「それが狙いだろ。捕虜だね。俺たちが殺すか迷ってる間に遠距離で攻撃してくるつもりかね。」

「どうする。」

「ミナ。どうやって1列目の連中に言うことを聞かせるか分かるか?ドサクサに紛れて逃げる奴もいるだろ。」

「隷属の首輪使うみたい。奴隷商人に大量に注文してた。」

「レイよりレベル高そうな奴いそうか?」

「いないよ。ドインとドインの部下くらいじゃないかな。」

「そうか。」

 実際に戦うのはレイたちだが、全体の指揮を執るのはタリカだ。

しばらくの間、腕組みをして天井を見つめていたタリカは、レイたちに言った。

「1列目のことは俺が対策考える。ミナとジャミは王都で情報収集してくれ。特に騎士団長や勇者どもがどう動くのか分かればな。ロックたちはドインとライバに張り付け。情報が無いか聞いてこい。物資送るんだったら何らかの情報手に入るだろ。レイとトムは…。」

キリッとした表情でレイたちの方を向いたタリカは言った。

「猫ちゃんや犬ちゃん撫でてて、いつもと変わりなく過ごしてくれ。解散!」

タリカの言葉を合図に全員散開していった。

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