表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐者  作者: 安慶
森に埋もれた国
21/421

21.ハイオーク

 老猫の光が2匹に入っていった後不思議な空間は無くなり、元の暗い森の中に戻った。

猫たちはうずくまって泣いている。レイは2匹に声をかけようとしたが、

「避けろ!」

というトムの声に、2匹を抱えながら後ろに飛び退いた。

その直後、ブンと空を切る音が目の前から聞こえた。

「ウグルアアアアア。」

という咆哮と共に、目の前に通常のオークよりもはるかに大きいオークが立ちはだかっていた。

大柄なトムよりも大きく、複数の人間の頭蓋骨に紐を通して首から掛けている。

「ハイオークか。」

「そのようです。猫は後ろに下がって。」

「ふなぁ。」

2匹の猫が素早くトムの後ろに隠れ、レイは腰から武器を抜いた。

レイが前に出て全力で剣を斜め下から上に振るったが、ハイオークの持っていた武器と交差し、力勝負となる。

ハイオークは太い棍棒を持っており、レイの剣は棍棒に食い込んでいるが、徐々に押され始めていた。

「レイ!弾き飛ばせるか。」

「やって。みる。」

レイは膝がもうすぐ地面につきそうな体勢まで力負けしていたが、前足に力を込めた後、全身を使って剣を前に突き出した。

ハイオークがわずかに上体をそらしたのを見逃さず、トムが突進していく。

腕を伸ばしてハルバードの先端でハイオークの心臓を突き刺し、

「ギャアアアアアアア。」

という絶叫ののち、ハイオークは胸から血を噴き出しながら倒れた。

トムはレイを立ち上がらせながら、

「戻りましょう。村に。」

「魔石を。」

「諦めましょう。先ほどの声で仲間が集まるはずです。すぐに。」

レイとトムは腰を抜かしてうずくまっている2匹をおんぶして、走って村に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ