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復讐者  作者: 安慶
経済戦争
209/421

37、お達者魔法部隊

 トム率いるダンジョン部隊の副隊長であるハリナは、100人以上の奴隷に囲まれて詰め寄られていた。

「おい。何があった。」

レイとトムが奴隷たちをかき分けながらハリナに近づいていく。

「申し訳ございません。ご足労頂きまして。」

ハリナが深々と頭を下げた。

「で問題とは。」

レイがハリナに頭を上げるように促し、何があったのかと尋ねる。

「実は。」

「わしらだす!」

 1人の奴隷がハリナの言葉をさえぎる。

「ほへ。」

思わず変な声が漏れ出たレイに対して、ハリナが答える。

「皆さんがドラゴンダンジョンに挑戦したいと。」

「そうだす!魔法でゴレム倒せるようになっただす。」

「それは凄いな。」

 レイが見回すと高齢の奴隷たち100人以上に囲まれていた。

聞くとチルに触発された魔法が使える高齢の奴隷たちで部隊を作ったらしい。

ゴーレムを倒せるようになったから、次はドラゴンダンジョンに挑みたいという。

「ダメだと言ったのですが。」

ハリナが申し訳なさそうに謝る。

 しばらく考えていたレイは、トムにロックウッドを呼んでくるように頼んだ。

「どうされるのですか。」

ハリナがおずおずとレイに尋ねる。

「戦えるか確認しないとな。」

 レイの言葉に奴隷たちが喜ぶ中、トムに連れられてロックたちが近づいてきた。

「どうしたレイ。」

「今からドラゴンダンジョン行けるか。」

「行けるが。」

「それじゃ行こう。トムとハリナも付いてきてくれ。」

 レイたちは高齢魔法部隊と共にドラゴンダンジョンへと入っていく。

ドラゴンダンジョン1階層にはレッドドラゴンが出没する。

「俺たちが前か。」

ロックが剣を抜き前へ出るのをレイは制止した。

「いや。魔法部隊に戦わせる。」

「へっ?」

固まるロックたちをよそに、レイは魔法部隊に声をかけた。

「水魔法が中心になる。危険になったら俺たちが加勢するが準備良いか。」

「おいよ!」

元気よく老女が返事をした。

「ロック、出来るだけ魔法部隊に戦わせる。俺たちは危険になったら助けるぞ。」

「おっおう。分かった。」

戸惑うロックウッドを尻目に魔法部隊が一列になって杖を構える。

先ほどの老女が大声で号令をかけた。

「撃てーーーー。」

『わああああああ。』

杖から一斉に水や氷の魔法が放たれる。

一流の魔法使いであるレシーアが目を見開いた。

「凄いわ。氷魔法も使えるのね。」

襲い掛かってくるレッドドラゴンを次々と撃ち落としていく。

「ミナ、素材集め頼む。」

「あいさ。」

ミナは器用にドロップされた素材を集め始めた。

 ドラゴンダンジョンは他のダンジョンと異なり、階層ごとにボスが現れない。

何故か分からないが階層ごとに全てのドラゴンを倒すと、次の階層が現れるようになっている。

50匹ほどのレッドドラゴンを全て倒すと、魔法部隊から歓声が上がった。

「皆素晴らしい。次行くか。」

レイの言葉に皆嬉しそうに頷く。

2階層はブルードラゴンが優雅に上空を飛んでいた。

魔法部隊が次々と土魔法を放っていく。

「魔力も相当ありそうですね。」

サクソウが目を輝かせながら戦う様を見守っている。

ドラゴンを相当数倒しているが、まだ魔力が尽きないようだ。

魔力ポーションを飲む奴隷はいない。

 2時間ほどかけて2階層を攻略すると、3階層へと意気揚々と下りていく。

3階層はアースドラゴンの巣となっていた。

地を這うドラゴンがゆっくりと近づいてくる。

 弱点である風魔法を放つのだが、元々頑丈なアースドラゴンを中々倒せない。

魔力も尽きかけているのか陣形を組んだ魔法部隊がジリジリと後退していく。

 限界だと判断したレイは魔法部隊を下がらせると、ロックたちと共に襲ってくるアースドラゴンを次々と倒していく。

50匹を超えるアースドラゴンを倒し切ると、レイは魔法部隊の方を振り返り言った。

「戻ろう。魔力が尽きてるし。」

アースドラゴンを倒せずうなだれている魔法部隊と共にダンジョンの外に出た。

レイは魔法部隊に声をかける。

「良くやったな。ドラゴンダンジョンは2階層までの狩りを許可する。トムとハリナに従うように。」

レイの言葉に高齢の魔法部隊が歓声を上げる中、トムはレイに言った。

「既に若手中心の魔法部隊がいるんですが。彼らも戦力に。」

「戦える奴はいくらでも欲しいからな。本人たちもやる気あるし。」

「どう呼んで区別しましょうか。」

 魔法部隊だけではどちらを呼んでいるのか分からないので区別する名称が欲しいとトムは言う。

「シニア魔法部隊はどうだ。」

「シルバー魔法部隊は?」

ロックウッドたちも名称を考える中、レイは別の名称を考えていた。

「お達者魔法部隊はどうだ。」

『ぶっ。』

 相変わらずのネーミングセンスの無さに、トムたちは思わず噴き出した。

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