15、ハリナ復活
「ハリナ様ァ!」
懐かしい声が聞こえてくる。
「レイさん!この人から先に!」
「レイさん!こっちも!」
「順番に風呂に入れて。」
「パン粥出来た?」
「ハリナ様ァ!」
賑やかな声が聞こえてくる。
「じゃ、かけるよ。」
男性の優しい声がしたと思ったら、体に回復魔法をかけられた。
しばらくすると猛烈な痒みが全身を襲う。
叫びたいが声が十分に出せず、うめき声を上げた。
「こっちにポーション。」
「はい。」
全身にポーションがかけられ、次第に痒みが治まっていく。
「この人は体力の回復が先ですね。髪と体を拭いてあげて。新しい服を着せてあげてください。」
「はい。」
ハリナの意識はまだはっきりとしていないが、全身の痛みはすっかり治っていた。
全身を拭かれて、いい匂いの服を着せられる。
「ハッハリナ様。よくぞご無事で。」
近くで懐かしい声の男が号泣している。
「あんた。さっきからうるさいよ。ちょっとは手伝って。」
「はい!」
ドタドタと走り去っていく音が聞こえ、ハリナはゆっくりとどこかへ運ばれていく。
「もう大丈夫ですからね。」
女の人の声が聞こえ、柔らかい布にくるまれたハリナは、そこで意識を手放した。




