9、3つ目のダンジョンコア
「レイ!」
「任せろ!」
最奥のボス部屋でレイがキングゴーレムに特大の風魔法を撃つ。
タイミングを合わせるようにレシーアとキングウルフも風魔法をゴーレムの胴体めがけて撃った。
「相変わらずかったい。」
チルが火魔法を撃ちながら文句を言う。
実際ゴーレムは動きが遅いため攻撃を受けることが滅多にないが、攻撃しても中々倒れないため魔力が尽きそうになる。
攻撃をよけながら1時間ほど魔法を撃ち続け、ようやくキングゴーレムを倒した。
倒れた場所に落ちていた魔石とアダマンタイトの延べ棒を拾い、レイはジャミの方を見た。
ジャミはウキウキしながら宝箱を開けている。
「何か出たか。」
渋い顔をしているジャミの脇から、レイは宝箱の中を覗いた。
そこには宝箱いっぱいにアダマンタイトの延べ棒が詰まっており、奴隷全員の武器が新調できそうだ。
「あんだけ硬いの倒したのに、お宝これ?」
あまり戦っていないジャミがブツブツ言っている。
「レイ、どこにあるか分かるか。」
ロックが辺りを見回しながら尋ねる。
レイはスキルを使い、ダンジョンコアが埋まっている壁に近づいた。
以前と同じように短剣を使い、壁を削っていく。
しばらく掘り進んだところで手を突っ込み、中から球体を一気に引っこ抜いた。
「あったな。」
魔力を帯びた球体が、レイの手の中に収められている。
「3つ目だな。何作る?」
「そうだな。帰ってから考えるか。」
2人の男がワクワクしながら何のダンジョンを作るか考えている。
そこへキングウルフが近づいてきた。
「見つかったのか。」
「ああ。これからどうする?」
「入り口を塞いでくれ。1か月くらいしたらタダの穴倉になるだろう。」
「そうか。何か手伝えることはあるか。」
「住処を整えるのを手伝ってほしい。あの眼鏡男には。」
キングウルフは何かを否定するように顔を横に振った。
「住処を知られたくない。面倒なことになるからな。」
「分かった。1か月後な。あと頼みがある。」
「何だ。」
「ダンジョン見つけたら教えてほしい。これ渡しとく。」
レイは通話の魔法陣の付いた首輪をキングウルフに渡す。
「おお。これは魔力を流して使うのか。」
「ああ。」
「良かった。これであの眼鏡を通さずにお前と話が出来る。」
今までライバがどんな愛で方をしていたのか考えたくもないレイは、キングウルフたちとライバの町で別れ、タリカ領の拠点へと帰っていった。




