18.2人パーティーの魔物討伐
次の日新しい装備を身に着け、2人は村外の森へと入っていった。
事前にキッコンから魔物討伐をしてくれるならありがたいと言われており、ギルドの出先機関に確認すると、ゴブリンの他に時々オークがいるから気を付けるように説明を受けた。
森に入ってからしばらくすると、錆びた剣を振り回しながら歩いているゴブリンが4匹いた。
2人が素早く背後に回り、突然2匹のゴブリンの背中に刃を突き立てた。
反撃する間もなくゴブリンは絶命し、驚いて振り返った残りの2匹にレイとトムは切りかかる。
ゴブリンは剣をめちゃくちゃに振り回していたが、2人の武器にあっさり薙ぎ払われ、胸を突かれて絶命した。錆びた剣を壊し魔石を抉り出して、2人は次の魔物を探した。
スミスが仕立てた武器と防具は、なるほど2人にしっくりと似合っていた。武器は空を切るように魔物の身を切り裂き、防具は相手の武器が当たったとしても痛いどころか何も感じない。
「すごいですね。この装備。」
トムは感嘆の声を上げた。
「そうだな。自分が強くなったと勘違いしそうだ。」
レイは嬉しそうに返事をする。
何度か戦闘を繰り返した後、レイは言った。
「ちょっと、魔法使ってみて良いか。」
トムは驚きながら、
「魔法使えるんですか。」
「使えるみたいだ。本を読んでいてレベルも上がったからかな。」
「いくつになったんですか。」
「レベルは10だ。」
「オークやハイゴブリンも倒せそうですね。」
「あんまり無理せず慎重に行こう。次ゴブリン2匹だったら魔法使ってみる。」
「はい。」
しばらくしてようやく2匹のゴブリンを見つけ、物陰からレイは詠唱を始めた。
魔法は遠距離攻撃が出来る有用なスキルの1つだが、詠唱に時間がかかるという難点がある。
詠唱が終わるとレイの手のひらに火の玉が浮かんでいた。
その火の玉をゴブリンにぶつける。
ゴブリンの胸が抉られ1匹が絶命し、逃げようとしたもう1匹をトムが仕留めた。
「これくらいにするか。袋がパンパンだ。」
腰に付けた袋を叩いてレイが満足そうに言う。
「そうですね。こんなに魔石が取れるとは。」
トムも満足そうに言い、今日は外で飯を食うかと2人で笑いあった。




