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復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
135/421

67.アダマンタイト

「ジャミ、何だこれ。」

「知るかよ。でも最下層から出たからすんごいお宝なはず。」

キレながらもジャミは金目の物じゃないかと目を輝かせている。

レシーアは黒い塊を持ち上げてしばし眺めていたが、

「これ、アダマンタイトじゃないかしら。」

と唐突に言った。

「おお!」

レイが思わず歓喜する。

ミスリルをはるかに超える強度を持つ伝説の素材だ。武器に加工してもらえば、最下層ボスのブラックドラゴンとも戦えるかもしれない。

「直ぐにスミスの所に持っていくか。」

「そうね。」

レイたちは急いで帰り支度を始めた。

「俺が命懸けで取ったんだけどな。」

お宝を見つけたジャミは、かなりふてくされている。

「何かお礼するよ。欲しいものあるか。」

「自由。」

「却下。」

レイがジャミの希望を即却下する。だが何か美味しいものを食べさせてやろうと、帰りに市場に寄って美味そうな酒と肉を買い込む。

 拠点に戻り、レイはスミスに黒い塊を見せた。

「すげえ。アダマンタイトだな。」

「やっぱりそうか。」

「俺も1回チラッと見たことがあるだけだ。王都の商人ギルドでよ。300万ゴールドしたはずだ。」

「300万。」

 値段の高さに思わず絶句する。

高くても10万ゴールド出せば総ミスリル製の武器が買える。

素材だけで300万は、武器に加工したらどのくらいの値段になるのか分からない。

「俺とトムの武器を作ってほしい。」

半ば食い気味にスミスにお願いした。

だがスミスは眉間にシワを寄せて考え込んでいる。

「どうしたんだ。」

「残念だがよ。俺にアダマンタイトの武器は作れねえ。それだけの力が無いんだ。」

「そんな。」

「すまん。ミスリル合金がやっとだ。王都に1人だけ作れる奴がいるが、いくら金がかかるか分からねえ。」

ここまできて強力な武器が手に入らない。加工してもらうためには数十万ゴールドの金を稼いで王都に行くしかない。どの位時間がかかるか分からない。レイは落胆し、両膝をついてしまった。

その様子を傍らで見ていたスミスがボソッと言った。

「方法は、ある。」

「どんなだ。」

レイがガバっと立ち上がり、スミスの両肩を鷲掴みにした。

「俺を奴隷にしてくれ。」

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