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復讐者  作者: 安慶
勇者と魔族とモフモフ
133/421

65.ドラゴン再挑戦

レイたちは潜り始めて4日目にシニフォダンジョン40階層に到達し、40~50階層の探索を始めた。

ペガルダンジョンと異なり、様々な種類の魔物が出現する。

小部屋の宝箱を漁りつつ、魔物たちを倒していった。

 一方のマールたちは丸2日冒険者ギルドの資料を調べつくした後、町の図書館で調べ物を開始する。ドラゴン、特にブラックドラゴンを倒す方法を探すためだ。

 5日目からはスミスと鍛冶が出来る奴隷が武器作りを開始した。

ここまでの旅でミスリルは唸るほどある。あとはダンジョンで得た素材と混ぜて、レイやトムが持つようなミスリル合金の武器を作るのだ。

スミスたちがいない分、シニフォダンジョンでの素材集めに時間がかかるようになるが、40から50階層で戦いまくり、必死に素材を集めていく。

 9日目にスミスを除いたレイたち一行は、再びペガルダンジョン最下層へと向かう。

1匹でも多くドラゴンを狩るためだ。

戦闘に参加している奴隷たちの半数は、既にスミス特製の武器を携帯している。

 青い空に草原が広がっている。

色とりどりのドラゴンが空を飛ぶ姿は圧巻だ。だがその雄姿を魅せるドラゴンは、レイたちが最下層のフィールドに降り立つと10匹以上が一斉に襲い掛かってきた。

「頼む。」

レイの一言と共に、魔法が使える奴隷たちが一斉に光魔法を放つ。

7人でタイミングを合わせて放ったため、大きな光球がドラゴンの目の前で一気に爆発した。

ダメージは入らないが、目を眩ませて動きを止めるには十分だ。

合わせるように矢が飛翔するドラゴンたちに浴びせられる。

スミスたち鍛冶職人が対ドラゴン用に作った矢だ。

致命傷を与えないまでも、羽根や体を傷つけ高度を下がらせることに成功した。

ミナが突進しムチを使ってレッドドラゴン1匹を引きずり倒す。

地面に付したドラゴンをレイとトムが素早く仕留めていく。

本当は倒した後の魔石と素材を回収したかったが、それよりも全員の安全を優先させる。

1匹倒したらレイたちは後退し、別のドラゴンに弓部隊とミナが攻撃を集中させた。

レシーアと近接攻撃の奴隷たちは、レイたちの支援へと回っている。

3匹ほど倒すと、遅れて地を這ってきたアースドラゴンと接敵する。

レイが風魔法でアースドラゴンをひっくり返すと、露わになった腹めがけてトムがハルバードを振るった。

罠にかかってもダメージが入らないほど固いアースドラゴンの体は一撃では倒せない。

レイとトムが何度も腹を攻撃し、やっと1体を倒した。

少しずつ攻撃が形になってきている。

「レイさん!魔力が尽きそうです!」

魔法部隊の1人が大声を上げる。

その声を合図として、全員が少しずつ後退する。

「どでかい光魔法!」

レイが号令を出すと、残りの魔力を振り絞り、魔法部隊が光魔法を放った。

ドラゴンたちが硬直している間に、全員が安全地帯である最下層入口の通路へと退避した。

「いいぞ。やったな。」

肩で息をしていたレイは満足そうだ。

 最下層に初めて到達したときはダメージすら与えられなかったが、今日は6匹を倒すことが出来た。

「あとは素材回収が課題ですかな。」

トムも座り込みながら感想を漏らす。

ドラゴンがドロップする素材は貴重だ。レイやトムが身に着けている鎧もレッドドラゴン製で、対ドラゴン戦には同強度の防具が必要になってくる。

「そうだな。皆の装備のために、明日は素材回収も頑張るか。」

「ん?」

「ん?」

 ジャミが思わず声を出したため、レイがジャミの方を見る。

ジャミは静かに水を飲んでいたが、隣にいたミナが何かに気が付いたのか、ジャミにヘッドロックをかけた。

「…出しなさい。」

「ぐっぁい。」

 顔が真っ赤になったジャミが魔法袋を差し出すと、レシーアが手を突っ込む。

「これね。」

レシーアは魔法袋から何かを掴みだすと、レイたちの目の前に次々と置いた。

「全部取ってたんだな。」

レイが呆れたような感心したような声を出す。

6匹分のドラゴンの皮と魔石が地面に並べられ、レイたちが必死に戦っている最中、ジャミがちゃっかりと回収していたことが分かった。

「まあ、良かった。一応…ありがとう。」

「どぼいだじまじで。」

 ミナにヘッドロックをかけられたまま、ジャミはレイの一応の感謝に応えた。

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